2009年12月25日金曜日

ヴァリニール日報第15号

◆ヤード・ツァールストヴォ成立。地域大国の勃興に揺れるディルタニア均衡

今月、かねてから神州民国軍ヤード憲政司令部の管轄下に置かれていたヤード地域の管轄権がルード・ヴァズニスクに委譲、同時に国家名称が『ヤード・ツァールストヴォ』変更され、第二次ヤード帝政が成立した。

これにより東部3州を中心に慢性化しつつあるヤード難民問題も解決に向かうと考えられるが、帝政ヤードによるレニエフ大公国の解体とヴァリニリア人抑圧という苦難の歴史を持つ我が国にとって『皇帝』を戴く同国への反応は厳しい。

「皇帝に栄光の数百年を踏み躙られ、アカに文化を奪われ、今度は女帝に希望も奪われる」とネットを中心に騒がれる等、同国の急速な台頭は比較的穏やかであった両国の関係に少なからず影響を与えるのは間違いなさそうだ。

また、地域大国の勃興によるディルタニア戦略の改正も急がれる。


◆議会、原発建設に「NO」。今も残る核エネルギーへの抵抗

今月1日に提出された「原子力発電所の建設に関する予算案」が、本日の議会に於いて反対多数で否決された。

アムリヤスク社会主義政権時代に起きた「アルテブリュガース原発事故」による甚大な被害は国民に核エネルギーへの否定的な考えを根付かせるには充分なインパクトを持っていたし、これは恐らく石油の枯渇によるエネルギー不足が表層化するまで続くのではと懸念する学者も存在する。

ヴィネンコ資源担当大臣は「産業の復興に伴い、化石燃料によるエネルギー供給は限界に近づいている。もしネルヴィルとの交易が断絶したら?もしパイプラインが他国の手により遮断されたら?我が国は農業中小国に逆戻りだ。我が国の発展には間違いなく原発によるエネルギー供給が必要になる。原発の建設と運用ノウハウは必要になってから得られる代物ではない。」とコメントした。

2009年12月18日金曜日

ヴァリニール日報第14号

◆揺れる安武問題にスピリックス連邦「論議の中断」。ヴァリニールの一手は

現在、安武群島を巡り昇陽帝国とスピリックス連邦の間で対立が起きている件について、シュルビッチ主席外交責任官からお話を伺う事ができた。

記者―昇陽・スピリックスの対立は我が国にどのような影響を及ぼすのでしょうか?我が国はそれに対して何らかのアクションを起こす事を考えているのでしょうか?

「昇陽帝国はキーファルン公国と並ぶネルヴィルの重要な友好国であり、すでに多数の資本・人材が同国に入り込んでいる。また、スピリックスもネルヴィルの重要航路を十分掌握可能な位置に存在する。もしこれ以上両国の溝が深まれば、ネルヴィルとの貿易で多大な利益を上げている我が国の鉄鋼産業にも多大な影響を及ぼしかねないと考えている。さらに言えば、万が一に武力衝突にでもなれば邦人や企業も戦災を被る事になるだろう。」

「(アクションをとる事は)可能性として十分ある。それがどのような性質でどのような規模で行われるかは私の及ぶ所ではないのでコメントできないが、大統領府が昇陽の資本・邦人の保護の為になんらかの行動を検討するのは当然の事と考える。」

記者―野党からは既に昇陽支持を表明している合同王国・ウィルバーへの「追従」であるとの批判も出ていますが?

「ネルヴィル交易が我が国に大きな利潤を与えているのは小学生だって知っている。大統領府はそれを踏まえたうえで昇陽への支持を固めている、野党はそれを「追従」という。おかしな話だ。」

「合同王国には合同王国の、合衆国には合衆国の、そして我が国には我が国の事情がある。強大国との関係でしか物を見れない人間に外交は語って欲しくないものだ。」


◆空軍、遠距離制空戦術戦闘機Rn-28の制式採用を発表

空軍広報部は今日、ルスラーン航空技術会社作製の遠距離制空戦術戦闘機Rn-28を制式に採用、年間30機を調達する予定である事を発表した。

Rn-28は旧ディルタニア連邦傑作戦闘機Silev-94に酷似したフォルムを有するが、複座戦闘機として再設計され、また火器管制・攻撃システム、フラバイワイヤ等の大幅な強化により高い汎用性をテストで証明した新型戦闘機計画の「本命」と言われている。

一機当たりの価格は破格の220億カルボーヴ。これは先進国の最新型戦闘機に匹敵するが、空軍本部はRn-28、Reig-27、VF-4を用途別・重要度別で展開するハイローミックス構想を採用する事で少数の本機を有効に運用する狙いだ。

ルスラーン航空技術会社はVC.29 年に旧シレフ設計局の技術者が立ち上げた企業であるが、経営不振が噂されていた。この大口採用により、同社は起死回生を果たしたと言えるだろう。

ルスラーン側は「他国への販売も検討している」とのコメントをしている。

◆続く惨劇、次はホルマリン漬けに。カーベンロイド州で3体の遺体を発見

昨日、東部カーベンロイド州の家屋で以前から行方不明になっていた    アンヤ・グリドフさん(16)、イーネス・ダリンさん(18)、ソインツ・アダミーシンさん(18)の遺体が発見された。

発見当時、3人の遺体は病院などで利用される検体保護用のホルマリンプールの中に保管されていたとの事。

家人であるアンソニー・アドマイホフ大学教授を重要参考人として指名手配したが、アドマイホフ教授は今月に入ってから行方が分かっていない。

アドマイホフ氏は我が国では最年少である37歳で医学教授に上り詰めた気鋭の外科医として知られていたが、数年前から傷害事件や麻薬疑惑が取り沙汰されていた。

捜査本部はアドマイホフ氏の情報提供者に最大1000万カルボーヴの懸賞金を設定した事を公表している。

2009年12月16日水曜日

落書き


無口キャラとかどうでせうか。

俺は好きです。


2009年12月12日土曜日

ヴァリニール日報第13号

◆国土開発委員会、北部3州の再編に着手。特需に湧く国内経済

先日、政府の北部再編案が議会を通過し、国土開発委員会主導により、ノーゼムグレリア州・エストイントヴァルド州・カーベンロイド州の再編・再開発が開始された。

『ウィルドスカヤに続け』と意気込む各州指導者達たが、アルテブリュガース汚染地帯を抱えるエストイントヴァルド州、介入戦争で主戦場となり、インフラ・治安が壊滅したノーゼムグレリア州、そして旧ヤード共和国の難民が流入し治安が悪化しつつあるカーベンロイド州の3つは『閉鎖地帯』と呼ばれており、困難が予想される。


◆宇宙開発局、「レーヴァテイン計画」を発表

昨日、エレーサ宇宙開発局は国産ロケットの打ち上げと人工衛星数基を軌道上に打ち上げる「レーヴァテイン計画」を発表した。

局長は会見で「他国に遅れを取った宇宙開発事業だが、これは国内先端産業の発展の為にも必ず成功させなければならない。」と発言。

開発には国内14社が参加。この計画が成功裏に終われば、自然災害の事前察知等が可能になる。


◆第2機甲師団他、3個陸軍師団を編成

先日、地上軍広報部は完全充足の1個機甲師団・2個機械化歩兵師団を新たに編成した事を発表した。

今回新たに編成された2個機械化歩兵師団はA&W Griffen、そしてAvtoKeNRの新型歩兵戦闘車VMB-1を装備。これにより33年型編成の歩兵師団は4個となり、十分な機動戦が可能となった。


◆イグナート級駆逐艦3隻・ブハンツェフ級駆逐艦1隻就役

先日、イグナート級駆逐艦「グライミャル」「ウォートリ」「クサノヴァ」、ブハンツェフ級駆逐艦「ウラジノビャール」が就役。第4駆逐戦隊に配備された。

これで内海艦隊の保有する戦隊は4つになり、ディルタニア内海の限定的な制海権は確保可能となったと言えるだろう。

「32年型複合編成駆逐戦隊」は現在の予定ではあと3つ編成され、またチェルノグ級巡洋艦、ブルイギン級ミサイル巡洋艦、アドミラル・ブラギンスキー級重航空巡洋艦の建造も急がれる。

2009年12月10日木曜日

聖女は誰が為に祈る

ふれたら崩れてしまいそうな細い躯。吸い込まれそうな大きな瞳。絹の様に滑らかに垂れる銀の髪。
この世界に遺されたどのような美術品をも、取るに足らないつまらないものにする美しさ。
彼女は聖杯に注がれた毒。
私はそれに口をつけようとしている――


「久しぶりね、ソフィーヤ。今は首相さんと呼んだ方がいいのかしら?」
暗闇に響く少女の声。
「・・ここは何処なの」
「貴女の夢の中よ」
コツコツ、と近づく靴の音に体が強張る。
「どうして彼女を捨てたの?彼女は今も貴女を慕っているというのに。」
つつ、と彼女の白くかほそい指が頬を撫でる。足が動かない。脳は駆け出せと切実に信号を発しているのに。
「彼女の事が嫌いになった?」
「・・自分とあの子だけの人生じゃなくなった。私はこの国の・・首相だから。」
嘘。そう言って彼女は強引に唇を奪った。
灼けつく思考。まずい、堕ちる。
「あの男の所為でしょ。私の可愛い『お姉様』」
「っ・・・!」
「あの子は貴女への思慕で人間性を保っているわ。もし貴女が彼女の心の均衡を崩せば・・その行き場の無い激情は何処に流れるのかしらね?・・・ま、半ば堰は切れかかっているけどね」
「貴女・・・!一体あの子に何を吹き込んだの!」
「私はただ彼女を慰めているだけよ。」
・・彼女が囁くのは貴女の名だけ、そう耳元で呟く少女。
「貴女が触れる物は全て壊れていく。彼女もそう。次はあの男かしら」
そっと服に手をかける少女。華奢な躯がスルスルと姿を現す。
「貴女が壊していくなら、私は壊れた物を愛せばいい。壊れた物はいとも容易く心を曝け出す」
逃げなくちゃ――理性を辛うじて保った脳の指令は虚しく感覚を失った四肢に流れる。
「直に・・この国も崩れていくんでしょうね」
彼女の切なげな顔が近づく。もはやそこに逃げ場は無かった。


彼女が目を覚ましたとき、既に日は昇りきっていた。
「・・最低だ」
頭が痛い。昨晩のアルコールが残っているのだろうか。
気だるそうにテレビのリモコンに手をかける。
「相次ぐ少女の失踪と死体での発見に共和国震撼」「連続殺人鬼の似顔絵公開」

報道は過熱を極めていた。


ふと隣を見る。
――小さなベットに窮屈そうに身を沈める一人の男。
彼女と愛を誓い合ったこの男は、愛する女の置かれた状況など露知らず、こうして安眠を享受している。
彼女と重なりあうように寝返りをうつ男。
抱きしめようと手を伸ばす。


『貴女が触れる物は全て壊れていく。彼女もそう。次はあの男かしら』


悪など知らないこの男も、私の所為で傷つくのだろうか
手が止まる。・・夢如きに何を動揺しているんだ。

男が耳元で寝言を呟く。

――涙が一筋流れていく。
私は大切な物を代価にここまで歩んできた。でも、この男だけは・・・

ソフィーヤは彼の腕の中で静かに泣いた。

2009年12月4日金曜日

もうそう

V.C.3X年、北方ディルタニアを治めるヤード共和国の崩壊。
中央政府の解体により広大な領土は分割され、内紛、そして泥沼の干渉戦になりつつあった。

旧ヤード共和国と隣接するヴァリニール共和国は要人警護の為、共和国武装偵察隊(V.A.S)の一部隊を旧首都ヤードグラードに派遣する。


廃墟と化した大都市で、兵士達は地獄を見る。

「おい、なんだあのバケモノは!?」
「生存者は・・本当にいるのか・・・?」

生ける屍と化した市民。


「あれは・・神州人か?」
「! 撃って来た!」

思惑の秘め都市に降り立った他国軍。


「弾をくれ!」
「これで最後だ!」

窮地に立たされる兵士達。


「少年、この都市で何があった?」
「『先生』なら知ってるかもしれない」
「先生?」

大都市に起きた悲劇。


「『小包』の確保はまだか。」
「確保出来ないのならば破壊しろ。絶対に他国の手に渡らせてはいかん。」

明かされる真実。


「仕方あるまい、中心部に核弾頭を投下しろ」
「閣下!まだ市街地には隊員が!」
「必要な犠牲だ」

下される非情な決断。


「俺が喰われたら後始末は任せたぜ。」
「おう。丁重に葬ってやるよ。」

極限下で発揮される兵士達の絆。




映画『ジャスリャーvsアンゼギドラ』の脚本家が紡ぐクライシスストーリー。

集団で通りを徘徊する「ソロー」、脅威の機動力で兵士達を狩り立てる「インディグネート」、廃墟や市民に擬態し無警戒な獲物に襲い掛かる「エンヴィー」等、多様なアンデットがプレイヤーと仲間達に迫る。

大都市ヤードグラードで同時多発的に展開する物語。ゾンビの群れを切り抜け、他国の特殊部隊を退けた先には何があるのか。

最新のエンジンを利用した美麗なグラフィックとリアルな破壊効果。狡猾なまでのAIの挙動。クリア後も飽きさせない拡張性。

世界各国の銃器メーカーの協力のもと、200以上の銃器、60以上のパーツを収録。また、各国の協力のもと、各国軍の軍装・車両・航空戦力を収録。

オンライン対戦は驚異の1ゲーム最大300人。市街戦・空挺作戦・平地での戦車戦など、ヤードの大地で15種類の勢力が激突する。


Pureisite Suteru 3用ソフト 『Destruction』
12月32日発売予定(希望小売価格:70.20VC)

2009年11月28日土曜日

【設定】Reig-27


エレオノリュト空軍基地所属のReig-27B



Reig-27

提供: フリー百科事典『ヴァレペディア(Varepedia)』


Reig-27軽戦闘機はRig航空機製作会社で開発された双発軽戦闘機である。愛称は『ラージク(ユキスズメ)』。

優れた汎用性、航続距離、火器搭載能力で介入戦争から空軍の主力戦力の座を占めてきたVF-4(WF-4)であったが、発展を続ける技術革新の波の中では陳腐化が否めず、特に運動性の低さは制空戦闘機として使うには致命的な段階にまで達していた。
これに対しヴァリニール空軍本部は国内航空機企業、並びに外国企業に開発競争を依頼する。このReig-27はその中でRig航空機製作会社が開発した試作機、Tr-22の量産型である。

『現在の標準戦闘機と十分に交戦可能な格闘戦能力、VF-4で使用可能な諸兵装と新型空対空ミサイルR-71の運用能力の実装』という軍部の要求の下設計され、赤外線捜索追尾装置(IRST)とヘルメット・マウンテッド・サイトの採用による高いオフボアサイト能力と誘導性の高いR-71空対空ミサイルの組み合わせはテスト段階で高い格闘戦水準を見せている。

アビオニクスの面ではUM06「タリズマン」レーダーを中心に、先進性こそ見れないものの長年の運用実績を持つ優秀な電子機器を搭載。

速度と運動性を両立した優れた機体であるが、航続距離と搭載量の問題で制空戦闘以外の用途には非常に使いづらく、長距離戦闘には今後もVF-4を運用せざるえないなど、空軍の根本的要求に応じる事ができなかったため、ヴァリニール空軍の主力戦闘機として採用される事はなかったが、その軽快な機動性能と空戦能力は防空任務には最適であり、国境付近の空軍基地向けにある程度の数が発注される予定であり、また安価で水準値に近い空戦能力を持つ軽戦闘機として他国への積極的な売り込みが試みられている。


『優秀な軽戦闘機』『中小国向けの空軍入門機』『堅実的なストップ・ギャップ用戦闘機』など識者の間で評価の定まらない戦闘機でもある。

2009年11月27日金曜日

ヴァリニール日報第12号

◆ウィルドスカヤ・アーコロジー完成。完全完結都市に関係者賞賛

今日、かねてから建設が進められていたウィルドスカヤ・アーコロジーの完成式典が執り行われた。式典にはドルグシキン内務大臣などの高級官僚も出席。

ウィルドスカヤ・アーコロジーはウィルドスカヤ計画の核となる物であり、チャールズ・エセルバート氏の提唱する「都市の圧縮と立体化による環境維持」を設計構想に練りこまれた自己完結都市である。

エセルバート氏は「私の理論が海を越えディルタニアで結実するとは思いませんでした。」と挨拶で語った。

この成功裏に区切りを付けた一大事業はヴァリニールの発展、フェイルディラシア=ディルタニア間の交流、新たな都市観の象徴となるだろう。

今後このような完結都市の建設に予算が投下されるかは未定だが、内務省は「前向きに検討する」としている。


◆昇陽帝国の外交使節団・留学生を受け入れ

昇陽帝国からの外交使節団・留学生が先日25日、レニエフ国際空港に到着した。

政府は記者会見で「国際社会の一員として彼国の留学生を受け入れる事が出来る事を大変名誉に思う。」と表明。

現在留学生は国内の技術水準の調査の為、各部門の施設を回っている。

また、昇陽帝国との国交開設に伴いAvtoKeNR等の企業が進出。昇陽市場に名乗りを挙げている。


◆Reig-27の本格配備始まる。大型汎用戦闘機の策定も

ヴァリニール共和国空軍の新型軽制空戦闘機として制式に採用されたReig-27の第1ロットが空軍に納入された事が先日明らかになった。

今回納入されたReig-27は西部エレオノリュト空軍基地に配備され、現在第3航空隊による慣熟が開始されている。

取材に応じてくれた軍関係者は「VF-4の重さが嘘のようだ。素直に操縦できるいい戦闘機だよ。」と語る一方「VFのようなタフな運用はできないだろう」との声が挙がっている。


◆その他のヘッドライン

・マサイの風なる民族組織が会議場に乱入

・ヤード・エンスランドの確執浮き彫りに。ヤード共和国の尚海機構加盟にエンスランド物申す

・慈善活動家のリューシャ・ワシーリエビッチ談話、「子供達に歯牙を向ける極悪人に罰を」

2009年11月24日火曜日

ストック

正式名称:タリム連邦

玲語表記:Commonwealth of Tarim

公用語:レイリル語

国歌:オー・タリム

国花:サトウカエデ

首都:ヒューリア

通貨:タリム・ドル/TD

国家元首:公式にはレイリル王、形式的にはタリム総督。実質的な首長は連邦政府首相(現職はブライアン・キャンベル)

政治体制:立憲君主制。各州に大きな権限。議会は二院制。

地方区分:11の州と4の準州。

主要民族:主幹民族はレイリル人。その他にもクラトニアやディルタニア移民多数。先住民族も。

経済:新自由主義。

産業:農業国だが内相主導による工業化が始まる。伐木搬出業も盛ん。

治安:非常に良好。

国防:一軍制のタリム統合軍。志願制。自治領時代からの派兵実績。


イメージはカナダ。レイリルの子分A。(※未承認です)

フランス系に位置する国家がよく分からないので比較的穏やかに成立。人の設定で妄想してろくな事にならない事はそろそろ学習するべきかなぁ、と。これも十分アレですけど。


まぁヴァリニールが無事にハッテンすれば使わないけどね!


2009年11月18日水曜日

国父は暗闇に何を見るか

◆11月2日 22:40 p.m レニエフ大統領府

「指定する日時に大統領府に出向する事。話しておく事がある。」

会議でソフィーヤにこう伝えられたのは3日前だった。野党議員から『伏魔殿』と呼ばれる大統領府から外に出ず、少々の国事と閣僚会議、そして他国代表との会議にしか姿を見せない彼――ブラゴヴォリン大統領――からの直々の命令。

あの件か、それともあの問題か。それとも・・・。ソフィーヤの頭を抱え込んでいる問題がぐるぐる回る。明確な答えは出ないが、あまり歓迎できない案件である事は確かだった。

霧雨の中を黒塗りの官用車が進む。昨晩まで降った雪は止み、あまりに冷たい外気に温さすら感じる雨と混じり道を黒く染める。

『伏魔殿』。誰が名づけたか知らないが的を射た名前だと思う。幾重にも重なる壁に囲まれた無機質な建造物は、雨に濡れその黒い姿を重たげに見せている。

――自分が大統領になったら建て替えたいものね

ふと湧き上がる妄想に苦笑する。首相という肩書きですら重いのに、国家元首なんて職業は金輪際お断りだ。


「お待ちしておりました、ブチェンコフ首相」

秘書官が止まった車の後部ドアを開ける。

着いてしまったか、と小さく溜息。我等が国父の館は今日も張り詰めた空気を湛えている。

「お待たせ。大統領はどこでお待ちかしら?」




「猟奇殺人の専門捜査チームを大統領府の管轄に移せ」

老人の指示はこれだけだった。

「安保問題、北部再開発、軍備再編・・・君には今後更に動いてもらう必要がある。私は君に国政に集中してもらたい。」

そんな事ができるだろうか。『彼女』が共和国史上最悪の猟奇殺人に関わっているのだ。・・それも自分のせいで。この件から外れる訳にはいかない。

「・・国民の安寧を護る為重要な職務だと認識しておりますが。」

「一国の代表が関わるような問題ではない。警察組織が無能であるなら指揮を執るべきは大統領府だ。」

「しかし、私が陣頭に立ち凶悪犯罪への不退転の決意を見せる事こそこの問題には必要です。」

ソフィーヤの声を掻き消すように大統領が口を開く。

「時に・・・君の妹さんは元気かね?」

「え・・・?」

その一言でソフィーヤは自分の見立てが甘かった事を痛感する。この老人は全てを知っている。私の過去も、『彼女』の事も。―そして今私が置かれている状況も。

驚いたかね、と老人はソフィーヤの顔色を窺うように聞く。

「年を取ると周りの噂話ばかり良く耳に入ってね。君の知り合いがこの事件に関わっている可能性があるのも聞いているよ。」

ソフィーヤに背を向け外の様子を見る。介入戦争の頃は『闘士』やら『狩人』やらと呼ばれ社会主義者から悪鬼の如く扱われていたが、人間は老いるものだ。老人の背中は小さく見えた。

「ソフィーヤ、君はこの件には関わらないべきだ。リリスの道、だったかな?・・君が彼等と関わっていた事が露見すれば、君の政治生命はここで絶たれる事になる。一端に中堅諸国に名を連ねているとは言え、この国はまだ問題が山積している。これを解決するには君の手腕が必要だ。」

「ドルギシキンもドルゴラプテフも、その分野での才はあれど、国を一つに纏め上げ、市民を鼓舞する力は遂に発揮できなかった。野党の連中も我々を批判こそすれど碌な公約も出さない無責任な集団だ。」

大統領がこちらを振り返る。

「私は君の政治生命、そしてこの国の未来を考えて命じている。直ちに捜査チームを大統領府の指揮下に移したまえ。」

(・・流石はヴァリニールを独立に導いた大人物、と言ったところか。)

ソフィーヤは否と言わせぬその気迫に従うのが得策であると判断した。


一礼してドアに手をかけると、老婆心ながら・・・、と引き止めるように老人が話す。

「RCIと警察は大統領府の下に置かれるが、軍部への干渉は行わない。・・これを忘れないことだ。」

「・・軍部にも特殊組織があると聞きましたが、それはよろしいので?」

「正規の捜査組織でない部分にケチは付けんよ。それだけだ。」

彼の掌で踊らされているようで釈然とはしないが、貴重な情報を無碍にする訳にもいかない。

「・・ご助言、感謝しますわ。」

大統領府が軍部に干渉できないのならば、彼等を使って独自にこの事件の黒幕を捜す事ができる。

『彼女』は私を求めて殺戮に手を貸している。ならば私が『彼女』を止めるしかない。

(軍部の人間といったら・・彼しかいないわね)

彼女のIceMobileの画面には、一人の軍人の名が打ち込まれていた。

2009年11月16日月曜日

ヴァリニール日報第11号

◆リーベック会談閉幕、尚海機構は警戒感あらわに

クラトニア共和国・キーファルン公国の2カ国によって先日から開催されていたリーベック会談が閉幕。石油・自動車の貿易活性化、そしてクラトニア共和国海軍へのキーファルン寄港許可に合意がなされた。

これに対し尚海条約機構構成各国は強い警戒感を表明。ネルヴィルの各国権益に大きな揺らぎが見えている。

政府は「ネルヴィル航路の安定を心から望む」とコメントしている。


◆官房長官「安全保障体制の再編を十分に検討すべき」

今日、定例記者会見の場でゴルベンコ官房長官は安全保障問題について次のようにコメントした。

「既にディルタニアにおける共産主義の脅威は去りつつあり、国際社会は新たな問題を孕みつつある。現在の安全保障体制では我が国の国益を最大限防衛する事は事実上不可能だ。我々はこの国の立ち位置を十分に考える必要があるのではないだろうか。既存の組織に参入するにせよ、新たな軸を作るにせよ、これは一昼夜で意見が纏まるものではない。見識者や世論の意見を重く見考える必要があるだろう。」


◆行方不明の女学生遺体で見つかる。今度は南部

先日14日、行方不明だった聖エレオノーラ女学院3年のジャンナ・アダモフカヤさん(19)が南部の地方都市グリューリトにて遺体で発見された。

アダモフカヤさんの遺体にはヴァイグゼで発見されたトルスタヤさんと同じように性的暴行の痕跡が見られるが、警察は同一犯による犯行の可能性を否定した。

アダモフカヤさんは先月12日に学校を早退した所から行方不明になり、かねてから捜索が続いていた。

警務庁はこの2件を集団による連続殺人としてRCI(共和国捜査局)に捜査協力を要請。現在400人体制で捜査が行われている。


2009年11月13日金曜日

怠惰の城

ヴァリニール北部の小さな廃教会。

介入戦争で幾度と無く砲爆撃に曝され、廃墟となったまま放置されたそこに、人の気配などある筈が無かった。

――そう、善良な市民の気配は。


無人の筈の礼拝堂に灯る小さなともし火。ゆらゆらと人の影が壁に浮き上がっては消えてゆく。

強い香の香りが辺りを包み込み、神前を淫らに染める。

「・・ねぇ、最近あの子を見かけないような気がしない?」

長髪の女が呟く。女神像を愛撫の如く撫ぜるその姿は堕落に誘う魔女のよう。

「あの子?」

「あの子よ、『彼女』の妹。」

少女が不満げに女の顔を見上げる。――私じゃ不満?――嫉妬を宿す青い瞳。

「そんな目をしないで」 耳を甘噛み。

跳ね上がる少女の躯。青い瞳から嫉妬は消え、歓楽に蕩ける。

「あの子だって我々の仲間でしょ。『自分の』じゃなくても心配はするわよ」

「姉を取り戻しに行ったわ。」

黒髪の女が答える。

「ふぅーん。国家権力に楯突くなんて大胆ねぇ」

「なんでも、欲求不満な人間を集めて随分派手にやってるみたいよ。新聞も一面大見出し。・・止めさせなくて大丈夫?」

「どうして?」

少女を蹂躙する手を止める。腕の中の少女は息も絶え絶えだ。

「警察はRCIに捜査協力を要請してるわ。地方警察レベルなら撒けるだろうけど・・もし組織の事が明るみに出たら少し厄介じゃない?」

あの子はそんなヘマをするような子じゃないわ、と女が答える。

「あの子は誰よりも狡猾で・・嫉妬深いわ。彼女を連れ戻す為ならどのような事も見逃さない。・・それに、今のあの子を止めるのは姫様だって難しいでしょう」

「それじゃ、このまま静観するの?」

「ええ。もう少しこの愛憎劇でも見させて貰いましょうよ。」

黒髪の女は少し不満そうにしたが、暫くの後暗闇に消えて行った。

小さく溜息をつく女。

「・・あの子なら、いくらでも可愛がってあげるんだけどなぁ・・・」

少女が文句を述べようと口を空けた瞬間、女は強く唇を奪った。

2009年11月11日水曜日

黒い夢

「・・被害者の氏名はジャンナ・アダモフカヤ。聖エレオノーラ女学院3年の19歳です。」

「彼女もヴァイグゼと同じケースか?」

「はい。3ヶ月前にご両親から捜索願が出されています。」

ロベルト・バルバショフ警部は天を仰いだ。まさか自分の街でこんな猟奇殺人が起きるとは・・・。共和国有数の『防犯都市』として表彰も受けていたこの街で。

「ご両親への連絡は。」

「先ほど。」

「・・忙しくなるぞ」

運転手が車を止めた屋敷の前には既に人だかりができていた。忌々しいマスコミの報道車が路肩を占拠している。

何があったのか周囲に尋ねる者、携帯電話で写真を撮る者、マスコミのカメラにピースサインを向ける者。・・何も知らない市民はまるでお祭り騒ぎだ。

「警部、こちらです」

玄関から刑事が呼ぶ。荘厳な趣のある家だ。社会主義政権時代にこのような大邸宅は許されなかったはずだが・・・。

「死因は?」

「薬物による急性中毒。鑑識によるとヴァイクゼで発見された物と合致したとの事。」

「外傷はあるか」

「死後に付けられたと見られるモノが多数。酷いもんです」

小さな寝室に入ると、警部は思わず目を覆った。

明かりの落とされた部屋の壁に、もたれ掛かる様にして斃れる若い少女。壁には彼女の血で何かの紋章が描かれている。一糸纏わぬ肌に幾筋も刻まれた傷に、警部は背筋が寒くなるのを感じた。

ヴァイクセと同じ人間の犯行では無い事は明らかだ。彼女は犯されながら殺されている。

「なにか手がかりは見つかったか」

刑事の一人が肩をすくめる。これだけの事をしておいて手がかり無しだと・・・?

「精液反応は?」

「・・わかりません」

鑑識官が遺体をよく見るよう促す。

――少女の遺体には、通常あるべき物が存在しなかった。

「強姦、殺人、死体損壊。捕まれば死刑は確実でしょうよ」

部下の一人が吐き捨てるように呟く。

(不可解な行方不明者の多発、連続して発生した猟奇殺人、壁に描かれた血の紋章、そして2つの遺体から検出された同じ薬物・・一体この国に何が起きている・・・?)

警部は凍りつきかけた思考の中で事件の理解に努め、そして今自分に導き出せる最善の判断を下した。

「RCIに捜査協力を要請するよう本部に連絡しろ。・・それと、この子をできるだけ綺麗にしてから両親に会わせてやれ」

「・・了解」

無力感が老いた刑事を襲う。

(私は、自分の街も自分で守れないのか・・・)

噛み切られた皺の深い口元を、警部の血が静かに流れていった。

2009年11月9日月曜日

ヴァリニール東方正教(仮)

ヴァリニール東方正教
ヴァリニール共和国で広く信仰される宗教。
ディルタニア各地に伝播、浸透していった正教の系譜に連なる宗派とされるが、その起源や教義の差異に「最異端」、「矛盾した存在」と評する学者も多い。
レニエフ大公国の保護下で発展を遂げたが、ヴァリニールがヤード帝国の勢力下に置かれると次第にその影響力は削がれていき、皇帝アレクセイによる大弾圧に曝される。
アレクセイがナリア大主教を公開処刑すると、信徒の怒りは頂点に達し、ディルタニア最大規模の宗教暴動が発生する(ディレグシアの復讐)。信徒軍は一時は北ヴァリニールを完全に制圧し、帝都にまで迫る勢いを見せたが、次第に内紛で自滅していった。
信徒軍を鎮圧したアレクセイはヴァリニール正教に縁のある者をすべて投獄、または処刑し、小さな礼拝堂に到るまで全ての宗教施設を破壊したが、エレーサ司教(氏名の記述無し)等が各地で少数の信徒を伴い地下に潜伏。以降介入戦争が勃発するまで地元民の支援の下細々と信仰を受け継いでいった。
帝政ヤードが崩壊した後も宗教弾圧は続き各地で信者狩りが行われたが、信徒の武装を以って信仰を死守する。
ヴァリニールで自由革命の機運が高まると自由派諸組織を支援。介入戦争では修道女を出立させているとの情報あり。

2009年11月7日土曜日

【設定】A&Wファイヤーアームズ

アヴィアント・アンド・ウォルセット・ファイヤーアームズ(A&W)

提供: フリー百科事典『ヴァレペディア(Varepedia)』


アヴィアント・アンド・ウォルセット・ファイヤーアームズ、通称A&Wはゲオルギー・アヴィアントと・オーガスタス・ウォルセットが設立したヴァリニール最大規模の銃器メーカー。

創業当初は旧式火器の近代化等の所謂「セカンドパーティー」的な業務を主に展開していたが、G.R.S(グロースニク・レイル・システム)の開発を皮切りに本格的な銃器開発・販売を開始した。

◆歴史

介入戦争が本格的に激化したV.C.22年、ヴァリニリア人のゲオルギー・アヴィアントが旧アムリヤスクの銃器技師を迎え「アヴィアント・ピースメーカー」を設立。AB-68等の旧式火器の改造と弾薬の供給を行い堅実に業績を伸ばす。

一転、介入戦争が終結すると需要は激減。企業存続の窮地に立たされるも、アヴィアントは当時国交が開設された合同王国から当時無名であったオーガスタス・ウォルセットを含む8人の開発技師を招聘。業務の伸張に乗り出す。

V.C.28年、ウォルセットを中心にG.R.Sを開発し、低迷を続けていた改造業務が好転。更にVAB-68Eがヴァリニール地上軍の制式採用突撃銃に採用され、一躍ヴァリニール銃器産業のトップに躍り出る。

V.C.31年、アヴィアントが経理を、ウォルセットが企画開発をそれぞれ受け持つA&W体制が完成。現在に至る。

◆製品

高い経済性、拡張性を特徴とし、予算の都合上用途別に火器を揃える事が難しい警察組織や、新興国の国防組織の高い人気を誇る。

最近ではバーラジア戦役で少数のAasr対物ライフルが北バーラジア武装勢力によって運用された事が確認されている等、安価故にヴァレフォール各地の紛争地帯でA&Wの火器を目にする事となるだろう。

メディア作品等への露出も多く、銃器の知識に乏しい女性や子供の知名度も高い。


・VAB-68E

共産圏を中心とした世界中の国軍で使用され、現在もおびただしい数が紛争地帯で使用されるAB-68を国内仕様に改良した突撃銃。

G.R.Sを本格的に搭載した初の突撃銃であり、システムの有用性を証明した点で社史に残る銃。

地上軍制式採用突撃銃としては徐々に更新が進んでいるが、現在もその堅牢性から海軍歩兵隊が第一線で使用している。

・Griffen

統合歩兵戦闘システムの名で売り込まれているA&Wの最新突撃銃。G.R.Sとモジュール方式の採用によりPDW、LMG、DMR等の多彩な形態に換装が可能。

旧式化の進むVAB-68Eの後継として採用され、機械化歩兵部隊を中心に更新が始まっているが、突撃銃としては非常に高価な為、そのペースは遅々として加速していないのが現状だ。

・Aasr

現在A&Wが製造販売を行っている唯一の対物狙撃ライフル。L1・L2はボルトアクション式、L3はセミオート式。対物狙撃銃としては小型・軽量だが1100mの有効射程と軽装甲車の正面装甲を支障なく貫通する破壊力を有する。精度の面では他国の物より一歩劣る。

長射程、高精度な合衆国SilverStorm製の物に国内需要はほぼ独占されるが、そのコストの低さから中小国からの人気は高い。


2009年11月5日木曜日

狂気の宴

リューシャ・ワシーリエビッチの許に一人の少女が現れたのは数ヶ月前であった。

恭しく話す金髪の少女――彼女――はまるで物語の世界から抜け出した乙女のよう。しかし、彼女の口から紡がれる言葉は狂気に溢れ、また欲情を誘う甘美な物であった。

――貴方が望むならば、誰にも悟られる事無く可憐な花々を摘み取って参りましょう。

初めは何の冗談かと思ったが、話しているうちにそうでない事を悟った。彼女は全てを知っていた。リューシャの決して明かす事の出来ない秘め事を。そしてそれがいよいよ生きがいになりつつある事を。


ヴァリニールでも指折りの資産家の妻であり、女性慈善団体の代表を務めていた彼女は公私共に成功しているように見えた。

しかし、私生活は悲惨なものだった。夫の浮気。子供も無く一人で夫の帰りを待つ孤独。

彼女は不満の捌け口を庭師に向ける。それからは堰を切るように彼女の肉欲は暴走を続け、幼い戦災孤児、女中、匿名で集めた異常性癖者、彼女に群がる「か弱き者」をすべて貪った。

しかし、彼女の心の渇きは癒されなかった。彼等の苦悶の声、表情は彼女の獣性を満たす事は無く、寧ろそれを高めていく。

――処女の血は人間の若さを保つ

彼女はついに人を殺めた。若い少女の手首に立てられるナイフ。皮を裂き肉を断つ感覚に身を震わせる。迸る鮮血に視界は赤く染まる。

音も無く斃れる少女。傷口を貪り渇きを潤す。明確な高揚感。彼女は以後鮮血を欲して止まなくなった。


指定された廃工場には彼女と数人の少女。目深にベールを被り表情までは伺い知る事はできないが、どれも整った顔立ちの美少女だ。

「・・それで?貴方は私の何が欲しいの?」

「僅かな手取り金さえあれば。」高揚も無く話す少女。真紅の目に光は無く、その透き通った肌は触れば崩れそうだ。リューシャは湧き上がる劣情を抑え問答を続ける。

「正直に仰いなさいな。はした金で請け負う事でもないでしょ?」

その言葉に彼女は身を震わせる。リューシャには推し量れない衝動が彼女の中を駆け巡っているのだろう。

彼女はこう言い放った。

「狂気の限りを。人々が貴方の影に絶望し、戦慄する程の惨劇を。」

彼女の合図で運び込まれる少女。薬物でも投与されたのか、目は既に焦点を失っている。

「貴方が悦ばれる事こそが私の本意でございますわ。どうぞ、ごゆるりと。」

煽情的な言葉が脳を焼く。彼女は何か呟いているようだが、もはや鮮血への渇望は五感を支配していた。

リューシャは獣性に意識を沈めていく中、彼女の目にはっきりと、黒い光が燈るのを見た。

2009年11月4日水曜日

ヴァリニール日報第10号

◆進む北部開発。ウィルドスカヤ計画順調に進渉

先日議会で承認がなされ、工事が開始されたウィルドスカヤ計画は順調に進んでいる。

本計画は経済的先進性に欠ける北西部ウィルドスカヤを一大計画都市群化するというもので、の計画で停滞が続く共和国経済を復活に繋げたいという狙いもある。

コンセプトは「職と住の融合、命を育む都市」。従来の近郊住居を一新し、都市居住にそのスタイルを回帰させる。また、1つの中枢都市に最低1つの大公園を設置し、またコミュニティーの場を各区画に配置するなど、居住性を重視した設計がなされている。

設計はレイリル人建築家のチャールズ・エセルバート氏。現在80万人規模の第1波移住者が各区画に居住を開始している。








◆世論調査、「現政権に不満」29%。経済停滞原因か

世論調査の結果、「現政権に満足している」が71%に後退。前回の調査と比較して9%「不満」が増加した。

世界食糧危機の後の記録的豪雪による食料不安、連日報じられる世界不況によるヴァリニール企業の苦戦など、ブラゴヴォリン政権は大きな向かい風に曝されている。



◆地上軍広報部、1個機甲師団の編成を公表。

先日、地上軍広報部は完全充足の1個機甲師団を新たに編成した事を発表した。

地上軍は世界食料危機により大幅な規模縮小を蒙ったが、「装備更新の大きな追い風」とする声も多かった。

事実、今回報じられた機甲師団は最新鋭のAvtoKeNR製GT-82/C主力戦車、VMC-5歩兵戦闘車を装備、今現在ヴァリニール地上軍に籍を置く部隊の中で最強の陸上機動戦力となった。

広報部は今後も4個機甲師団、14個歩兵師団の新規編成を予定しており、戦力の回復、強化が期待される。

GT-82/Cとはどのような戦車なのか、軍事専門家アブドガニ・パフ氏に解説していただいた。

「GT-82/CはDST-11等のディ連製戦車の流れを汲む大型戦車です。DST-11は介入戦争にも投入され多大な戦果を挙げましたが、現代速度戦への不適合や兵士への多大な負担が当時から懸念されて(中略)GT-82の射撃統制装置、成型弾積極防御システムの改良によりソフト面での進化を遂げたのがこのC型です。特に射撃統制装置の改良が著しく、これにより行進間射撃の命中率が大幅に向上されたと言われています。この鎧のような爆裂反応装甲が萌えポイントと認識されていますが、個人的にはA&WのAtg-26車載対空機銃の方が(都合により省略)」


GT-82/C主力戦車





◆行方不明の少女、死体で発見される。専門家は異常性を指摘

数ヶ月前に行方不明になり、捜索が続けられていたドミニーカ・トルスタヤさん(16)が昨晩東部の地方都市ヴァイグゼにて遺体で発見された。

トルスタヤさんの遺体には「常軌を逸した性的暴行」の痕跡が数多く見られる等(調査の結果、家庭内なでの暴行は無かったとの事)、専門家は異常性を指摘している。

現在トルスタヤさんの他に12名の少女が共和国全域で行方不明になっており、関連性の有無等も含め捜査が急がれる。

2009年10月26日月曜日

オペ子


ゲタ占いしたりパソコンねだったりする人。

全然似てないだろ!いい加減にしろ!

ヴァリニール日報第9号

◆食料危機に終止符、内務大臣「飢えは去った、さあ前進だ」

Lost Artemisによる気候変動によって世界的な食料危機が続いていたが、現在収束に向かいつつある。

政府は今回の食料危機に際し、6100億カルボーヴを投入。マルドニア産小麦を中心に大量に確保する事に成功した。

今回の食料危機により陸軍規模は大幅に削減されたが、「装備の更新が容易になる」と関係者は話している。


◆バーラジア共和国・レイリル合同王国、北バーラジア鎮撫へ

24日、現地時間午後8時、バーラジア共和国クアン・ガイ国家自由発展評議会主席は国家自由発展評議会主席官邸にて北バーラジアに対する軍事作戦の遂行を宣言、またグレートレイリル及びヴィントランド合同王国も戦略空軍、海兵隊を主幹とする派兵部隊を北バーラジアに派遣。両国による非合法組織鎮撫が始まった。

政府は両国の動向を非常に肯定的に捉えており、合同王国に対して300万t相当の空対地ミサイル、精密誘導爆弾を、バーラジア共和国に対して資金援助を実施した。

在留安武人を中心に世論もこれを後押ししており、今後の支援も検討されているとのこと。

内務大臣に近いアーグスト議員は「北バーラジアの鎮圧は国際交易の面で非常に大きな前進。ネルヴィルの交易路がクリーンになればそれだけ大陸と海洋諸国の繋がりは深くなる。キーファルン、オルゼルメンとの鉄鋼交易も円滑に進められるようになるだろう。賊徒の鎮圧に支援を惜しまない。」とコメントした。


◆ヴァリニール空軍、Reig-27を軽制空戦闘機として制式採用

今日、アルムセンツ空軍広報官はReig-27戦闘機を軽制空戦闘機として制式採用、今年度内に2個航空隊規模の本機を調達する事を発表した。

製造元はRig航空機製作会社。良好な運動性能と赤外線捜索追尾装置(IRST)、ヘルメット・マウンテッド・サイトの採用による高いオフボアサイト能力、低く抑えられた調達単価が魅力的な機体だ。また、本機はR-71短距離空対空ミサイルの運用も可能であり、模擬空戦でVF-4を圧倒している。

しかし、本機の採用は空軍再建の抜本的解法にはならないとする声も大きい。軍事専門家アブドガニ・パフ氏は「Reig-27は格闘戦こそ先進諸国の戦闘機に劣りませんが、搭載量・航続距離から考えて、活動空域は精々ヴァリニール領空をカバーする程度でしょう。遠距離制空戦闘をVF-4に依存している以上、それを更新できなければ先進的な攻撃空軍への脱皮は難しいでしょう。」と話している。


2009年10月13日火曜日

ヴァリニール日報第8号

◆スピリクス・北バーラジア間で旧安武皇国皇族移管問題

先日、スピリックス連邦は北バーラジアの軍事侵攻によって崩壊、併合された安武皇国の皇族、および重要人物を保護したと発表した。

北バーラジアはこれを否定、現在両者の間で問題が表層化しつつある。

共和国政府はこの問題に対してコメントを控えている。



◆フランツ・ローラント ファーレラント皇帝崩御

10日、ファーレラント帝国皇帝庁はフランツ・ローラント・カールハインツ・ヨーゼフ・フォン・ファーレラント大帝陛下の崩御を全世界に発表した。

追悼式典にはブチェンコフ首相が出席する。



◆国土開発局、南部地域の整備に着手

今日、共和国国土開発局は南部再開発の試案を提出し内務大臣の許可が得られた事を発表した。

これにより、Lost Artemisと介入戦争以降エレーサとその周辺のみに留まっていた南部復興が加速すると見られる。

ドルグシキン内務大臣は「南部は観光資源豊富な数少ない景勝地。環境を損なわず、かつ経済的な発展が望めるような配慮が必要だ」とコメントした。

これにより、未だ整備の進まない東部、北部コサック・プロヴィンスの住民による開発運動の激化が予想される。

◆ヴァリニール空軍、次期制空戦闘機策定の為のコンペティションを開始?

ヴァリニール空軍が次期制空戦闘機策定の為、国内外の航空機メーカーにコンペティションを行う連絡をした事が、関係者の話によって明らかになった。

これについて語ったのは某国航空機企業関係者で、「今の(VF-4)より空対空戦闘に優れ、汎用性が確保されている機体を採用するとお話がありました」と電話でコメント。

空軍本部は「そのような事実は無い」としているが、「戦闘機更新は急務」とも。

◆「市民権を我等に」 在留安武人の現実

今日、ソブロンニクの陸軍駐屯地で行われた入営宣誓式に、一人の安武人女性の姿があった。

真田美代子さん(22歳)は、数ヶ月前に安武系アパレルメーカー社員としてヴァリニールに来た『在留安武人』の一人だ。

ヴァリニール市場の開拓を本社から任せられ、数人の社員と共にヴァリニール中を走り回っていたが、その中で祖国崩壊の報を受けた。

国許との連絡も取れず、ビザの期限切れが迫っていた彼女の取った道は「ヴァリニール市民権の取得」だった。滞在期間の短さもあり市民権取得には困難が伴ったが、彼女は生活の為に軍人の道を選んだ。

「ビザの期限も迫っていて、資金も底が見えていました。ニュースで初音島の戦闘が報じられた時、同僚と途方に暮れていましたよ」

普段から努力家で知られていた彼女は期限ギリギリまで筆記試験の勉強と体力作りに励み、見事先日の入隊試験に合格。陸軍航空科、戦闘ヘリコプター乗組員としての軍歴が始まる。

「将来は置いてきた家族達をこちらに呼び、また一緒に暮らしたい」と答える彼女。果たして彼女は再び家族と会うことが出来るのか、それは各国の思惑にかかっている。

現在、『在留安武人』は全土におよそ3万1000人いるとされ、その半数以上が移民規定を満たしていない短期滞在者だ。

彼女のように軍入隊に活路を見出す者は多いが、兵員の精鋭化を進める軍部の門戸は非常に狭い。

政府は『在留安武人』の問題を解決するため、安武人の市民権取得条件を大幅に緩和する特別措置が検討しているが、野党の批判により施行の目処は立っていない。






◆その他のヘッドライン

・活発化する鉄鋼貿易

・市民による平和集会に警官隊出動

・レムストポリ軍港再整備へ

・海軍予算の増額が決定

2009年10月8日木曜日

台風とキモオタ

6:56分 足が攣って起床。朝から良い具合に萎える。外はヴューヴューいってる。

7:01分 PCを起動。学校のサイトを閲覧しようとするもサーバーが落ちていたらしく見れず。休むか否か脳内閣僚会議始まる。箱国を確認。鉄鋼ガイドライン作成委員会発足。

7:04分 朝食の配給。ベーコン3枚に食パン一枚。

7:08分 牛乳を飲みつつ友人の日記を閲覧。『自宅待機』の報を知る。

7:15分 親出勤。風スゲー。

8:30分 最後の家人出勤。同時にPS3起動。

10:42分 CoD4終了。最近金十字ばかりでまともに戦えない。それとM14難しすぎ。

10:56分 再びPC起動。箱国を確認。またゼニデルーランド閉園すか・・・

11:04分 巡回先を眺めつつ報道用の画像を探す。

11:26分 SAIの体験版ダウンロード。以前シコシコ描いた咲夜さんで使い心地検証を試みる。

12:02分 箱国確認。相変わらず成長しない。あとファーレ問題が良く分からなくなる。

12:37分 ペン入れ完了。ペンタブなくても入れられるのは良いなと思った。フォトショだと俺の知識じゃ引けんし。

12:53分 講座サイト様を見ながら塗り塗り。クリッピングとかなんぞ。

13:26分 昼食。学校に持ってくつもりのお弁当。おかずが茶色ばかり。

14:42分 塗り進まず。レイヤーフォルダとかの迷宮にはまる。

15:21分 目の塗り完了。ここから士気が下がり始める。

15:53分 ペペーっと髪をいじる。ここで降参。

16:03分 箱国を確認。またゼニデルーランド閉園(ry


まとめ:時間の使い方が下手。



SAI。ペン入れが容易なのはポイント高し。調色も(個人的には)フォトショよりやり易い。

でもクリッピングとかマスクはまだ使い方分からず。初歩的な気もするけど気にしない。

全体的にフォトショより直感的に使いやすいかも。機能把握できればもっと活用できると思う。



咲夜さん(らしき落書き)。

目はいつもより良い感じにいった気がする。講座サイトは偉大じゃー。

色云々より線画をどうにかするべきなのは重々承知してます。

2009年10月4日日曜日

ヴァリニール日報第7号

◆ゼニデルーランド・リゾート・レニエフ開園

今日、予てから誘致活動、建設が行われてきた『ゼニデルーランド・リゾート・レニエフ』が開園、初日にして3万人の来園客を記録した。所在地のヴァルレリィー市の全市民が無料で招待され、開園式典にはウィルバー・ゼニデルーカンパニー関係者、ヴァルレリィー市長、エヴラーニン誘致委員長も出席。

現在のところディルタニア唯一のゼニデルーリゾート。世界で2番目の「ゼニデルーランド」としても知られる。
エニプエル川の両岸に広大な敷地を有し、西側をオフィシャルホテル群、東側を「ゼニデルーランド・レニエフ」とし、往来には船を使用する等、『夢世界への旅』をコンセプトとした演出が特徴。
アトラクションもエニプエル川に因んだ物が多い。

ゼニデルーランド・レニエフ及び関連リゾート施設の総工費は破格の1890億カルボーヴに上り、『ディルタニア初の夢と魔法の国』として、また『フェイルディラシア・アニメの象徴』として、今後多くの人々を魅了し続ける事となるだろう。




魔法の世界に迷い込んだ少女、ドロシーと謎の洋館を冒険する『ドロシーと夢魔の館』。

ファンタジーとホラーの融合を目指して作られ、地上では美しい少女達が、地下深くでは異形の魔物達が来客を手厚くもてなす。






架空の高速宇宙船『レーヴァテイン』での大冒険を楽しめる『スペース・ソルジェア』。ゼニデルーの映像技術の粋を集めて製作された美麗な空間にゲストは感嘆するばかりであった。






ゼニデルーランド・レニエフの特徴的なアトラクション、『メタル・ギャラクティカ』。近未来都市を舞台にベロース将軍率いる悪の機械軍団との対決を楽しめる。

敵ロボットの挙動ルーチンはヴァリニール地上軍の協力で開発され、非常に『生々しい』動きでゲストの前に立ちはだかる。

ヴァリニール日報第6号

◆ヴァリニール・ヤードゴニエ首脳陣、エレーサにて会談
ヴァリニール有数の景勝地として知られるエレーサの『イクシヴィナ・ホテル』において、先日より我が国とヤードゴニエ連邦の首脳陣による会談が行われている。
本会談では両国の対立関係の解消、ディルタニア問題の平和解決に対する協力について意見が交わされ、終始和やかなムードで会談は進んでいる。
ブチェンコフ首相は「不幸な対立が解消され、両民族が手を握り合う環境が出来つつあります。我々はこの動きを南北リルバーンにも、そして全ディルタニアにも広げるべきであり、この会談がディルタニア世界の平和への一歩になる事を強く願います。」とコメントした。
関係筋は「両国の国交正常化は政治だけではなく経済にも多大な影響を及ぼすだろう。大国ヤードとの対立に勇み足になっていた外資企業の進出は加速するだろうし、矢連邦の閉鎖的な経済にヴァリニール企業が切り込む可能性も見えてきた。」と話した。








◆ジデンコ機械製造設計局、AvtoKeNR傘下へ
先日、大手自動車製造メーカーであるAvtoKeNRは記者会見で、K・Fドルジエフ記念ジデンコ機械製造設計局を吸収合併した事を発表した。
ジデンコ設計局は矢連邦時代からヴァリニール有数の軍需拠点として知られ、数多くの装甲戦闘車両を設計・製造、独立後もDST-11のモダンリファイン等を手がけていたが、民営に移行してから業績は伸び悩んでいた。
この合併によりAvtoKeNRはヴァリニール軍需産業のトップに躍進、現在VAMHCシリーズなどで知られる汎用車両部門、軍用トラック部門に重戦闘車両部門を加え軍需業界を牽引する事となるだろう。



◆エネリツク空軍基地の一般公開、VF-4の詳細が明らかに
昨日よりエネリツク空軍基地は、地域住民への広報活動として基地の一般公開を行っている。
この催しでは現在ヴァリニールの防空を担う、ウィルバー製WF-4の独自改修型であるVF-4の各タイプも公開され、参加者は熱心にその姿をカメラに収めていた。
VF-4はウィルバー製WF-4のアビオニクスのアップグレードやハードポイント追加によるレーザー誘導爆弾、対レーダーミサイルの運用能力の追加など、大規模な改修が為されており、多彩な任務に参加できる汎用性が特徴。
老朽化が進み、空軍は新型戦闘機の選定を始めてはいるものの、そのコストパフォーマンスは現在の軍用航空機の中では屈指と言われ、今後も長い期間にわたって運用される事が予想される。


エネリツク空軍基地の第24航空隊所属のVF-4E。






◆中央平原東部に金鉱脈を発見、ゴールドラッシュに沸く鉱山街
中央平原東部に位置する小さな鉱山街、スパンシーチャは今、金鉱山の発見に沸いている。
この「大当たり」を引き当てたのは同街の鉱夫であるアダーム・スミルノフさんで、彼はいつも通りに採掘作業に従事していた途中、非常に硬い岩盤に到達。痺れを切らしてダイナマイトによる発破を試みたところ、この金鉱脈に到達したとの事。


中部の鉱山街スパンシーチャ






◆その他のヘッドライン

・イスアード王国、ルージェノワール王国に複葉機で「パンを投下」

・安武皇国で北バーラジアによるテロ。石油関連施設に被害

・首相はレズビアン?ブチェンコフ首相と美少女の『濃密な』接触を週刊誌掲載、官房長官「事実無根、不快極まりない」

2009年9月26日土曜日

妄想(3)-1

◆レニエフ市 エンダーバンヴィッチ革命記念駅前 10月28日 11:40 p.m

瓦礫と化した首都レニエフ、その中心部を占拠するように建つエンダーバンヴィッチ革命記念駅。このヴァリニール共産主義の遺跡を攻め落とすべく、第12歩兵師団長、フェーリクス・グレシネヴィコフは即席の司令所で部下達の報告に耳を傾けていた。

「第2連隊は予定通り労働者団地を制圧し、第3連隊もトラクター工場付近で南部の第11騎兵師団と連絡。これで敵の残存拠点は市役所、物資供配センター、保安管理署、そしてエンダーバンヴィッチ革命記念駅の4つとなりました。」

大変結構。―丁寧に蓄えられた筆髭を神経質に整えつつ、言葉少なに答える。

労働者団地は戦意に乏しいアムリヤスク兵が半ば自棄になって立て篭もっただけにすぎず、トラクター工場にも第11師団のDST-11に立ち向かえる程の戦力は初めから存在しなかった。勝利して当たり前の戦闘に対して一々反応を起こす程この師団は若くなかった。

「・・して、戦車隊の増援はいつこちらに来る?」

第12師団第1連隊所属全兵士の最大の関心はそこにあった。ヴァリニール最大規模の列車駅として知られていたこの駅一帯は、ヤード兵によって幾多の火点が形成され、また駅内部から発射される迫撃砲の照準が定められていた。ジリジリと包囲環は狭められているが、敵の抵抗は弱まるどころか激化していく。6度の負傷を経験したこの勇敢な指揮官は不本意ながら司令部に戦車の支援を要請したのだ。

・・それが3日前の事。司令部からの返事は良くないものばかり。連中はこの駅を落とすつもりが無いのだろうか。

「大通りの対戦車地雷を処理しきるまでこちらには移動できないと言っております」

予想通りの答え。明日も要塞化された建物を支援無しに1つずつ潰す事になると思うと、さすがに気が滅入る。

「第2大隊では負傷者が4割を超えているらしい。装甲戦力の支援無しにこれ以上の攻撃は無理だ。」

「せめて装甲車でもあれば・・・」

狙撃を懸念して電気が落とされた事務所の一角は血の気の引いた静寂に包まれた。―明日は幾ら死ぬか―既に兵士達の意識は麻痺を始めている。

ふと外を見ると、先ほどまで止んでいた雪がまた降り始めていた。

ヴァリニールの冬は長い。幼い頃、降り積もる雪への恨めしさを綴った童歌をよく歌ったものだ。

月明かりで廃墟と化した街は青白く輝いていた。砲煙で黒ずむ瓦礫の山は、まるでセイルナシアの古代遺跡を絵画にしたかの如く幻想的に見える。 窓際に出て外を見渡したくなる衝動をぐっと抑える。ヤード軍の狙撃兵も照準眼鏡越しに雪見をしている事だろう。

「師団長、発言の許可を願います」

おおよそ兵士には似つかわしくない高い声が静寂を破る。声の主は大学を出たての若い少尉だった。

二流大学で工学を学び、建築技師として党の歯車になる運命を歩みつつあった彼は、レムストポリ革命の後、自由と祖国愛に燃え自由共和国軍に参加したらしい。フレームの曲がった眼鏡と白樺のように痩せ細った体は精鋭師団の兵士としては頼りない。

「発言を許可する。どうした少尉」

「はっ・・ただ今この事務所を捜索したところ、ここ一帯の下水道の配管図を入手しました。レニエフ市の下水道は緊急時の避難経路として設計されており、人が十分に通れる広さが確保されています。これを使えば駅の真下にまで接近できるかと。」

「花の12師団がクソの通り道を進むってか?ご免だな」

「機関銃を避けて通れるならばクソまみれでもかまわん。少尉、地図を見せたまえ。」

携行ライトを持ち寄り注意深く地図を照らす。日付は20年前。黄色く日焼けをした紙は所々インクが薄れている。

「このマンホールから進入し、駅に向けて北へ直進・・・。この連結点で右折し、ここで地上へ上がれば車庫に潜り込めるはずです」

「敵の罠ではないのか。爆薬が仕掛けられてでもしたら・・・」

「構造上その心配は無いはずです。この下水網は駅の下を密に走っているため、爆破でもさせたらそれこそ駅が地下に呑まれるでしょうね」

沈黙する幹部達。どうやら作戦は決ったようだ。

「よし・・、少尉の案を使おう。第1中隊を第一陣に突入。車庫を制圧し、駅内部の敵を殲滅する。西部の第3大隊もこれに呼応し駅前広場を制圧。浮き足立った東部の敵は第2大隊が殲滅。これでフィニッシュだ。・・ライドン隊は地上に残り陽動攻撃。適当に撃ち合って敵の注意を地上に集めろ。」

言うもなく準備を始める兵達。我が部下ながら、ヴァリニール最高の兵士達と考えている。

敵の罠かもしれない。しかし、彼には失敗と死のイメージは無かった。

2009年9月22日火曜日

ヴァリニール日報第5号

◆レムストポリ西部でテロ。逮捕者に旧レムストポリ共産党関係者。

今月19日、レムストポリ半島西部、ウーランジャで大規模工場を狙ったテロが発生した。

ウーランジャは「外国資本交流基本法」にて経済特別区に指定され、ウィルバー系・リルバーン系・安武系等の支社工場が多数立ち並ぶ「ヴァリニール自由経済の象徴」であったが、今回のテロにより工場地帯は壊滅。多くの負傷者と失業者を出した。被害総額はおよそ120億カルボーヴに上ると言われている。

公安当局の会見によると、逮捕者は52名。うち48名が旧レムストポリ共産党員であり、尚且つ半年以上前から行方をくらましていた人物である事が判明したとの事。

関係筋は「彼等の『革命的義挙』により多くの労働者が衣食に困るハメになった。それに今回の事件は多くの外資系企業のヴァリニール進出を阻む事になるだろう。我が国の経済成長はこれより先低迷期に入るはずだ」とコメントしている。

◆神州民国空軍、ヤードゴニエ軍事関連施設群を猛爆

昨日、神州民国総統府は航空部隊によるヤードゴニエ軍事関連施設群への空爆を発表した。

各国政府または共産主義政党による支持、批判が行われたが、我が国は正式なコメントを控えている。

フェドート・ドルゴラプテフ外務大臣は記者の質問に対し「戦争は回避する」と言葉少なめに語った。

2009年9月18日金曜日

ヴァリニール日報第4号

◆鉄鉱石の採掘体制・鉄鋼の生産体制が完成。産業省は他国への輸出を許可。

 ソロメンツェフ通商産業大臣は記者会見で、中央平原東部で確認されていた大規模な鉄鉱鉱床の採掘体制、並びに製鋼体制の構築が完了した事を発表した。

これに合わせ、産業省は国産鉄鋼の輸出を許可。「ヴァリニール鉄鋼機構」が発足した。

軍需目的で使用される事の多い鉄鋼の性質を考慮し、当面は友好国を中心に販売される事が予想されるが、政府の掲げる「段階的保護解除政策」に基づき今後の民営化が決定している。

◆クラトニア労働党、ヤードグラードを訪問。「人民戦線戦術」について議論

クラトニア労働党の代表団がヤードグラードを訪問、「人民戦線戦術の採択について」ディ連代表と意見を交わしたと、神州電視等複数の報道機関が報じた。

ブチェンコフ首相は昨日の定例会見で「正常な民主主義が機能していると思われるクラトニアにおいて、態々自らを危地に投じようとしている同党を支持する人間はまさかいないでしょう、我々が意見を表する程の事ではないと考えております。」と発言すると共に、「同党は成熟した民主主義の下成り立つクラトニア共和国、ひいてはフェイルディラシア世界全体に悪影響を及ぼす政治団体であり、我々はフェイルディラシアの自由主義諸国に警鐘を強く鳴らしたい。」と同党への警戒感を見せた。

◆その他のヘッドライン・コンテンツ

・安武皇國との国交成立

・旅客機テロ事件の犠牲者追悼式典

・[コラム]人民戦線の意義を問う

・[対談]ヴァリニール民主主義のあるべき姿とは

2009年9月14日月曜日

妄想(2)


アリーナ・ボヤリンツェフ
27歳。大尉。共和国武装偵察隊(V.A.S)所属。
テロ事件で両親を失い、父の友人であったグレシネヴィコフ少佐(当時)に養子として引き取られる。
その後は軍人としての道を歩み、矢連邦国家保安人民委員部の特殊部隊に配備されるが、レムストポリ革命の鎮圧作戦への従軍後に自由政府に参加。V.A.Sの前身である特殊任務連隊の一員として介入戦争を戦い抜く。
現在はV.A.S第8強襲チーム指揮官。

怜悧で素っ気無い。結婚なにそれおいしいの思考。


もしかしたらどこかで出てくるかもしれない人。

2009年9月13日日曜日

ヴァリニール共和国の軍事~突撃銃・汎用車両~

・VAB-68E

共産圏を中心とした世界中の国軍・紛争地帯で使用されるAB-68を国内仕様に改良した、ヴァリニール地上軍制式採用突撃銃。

激しいマズルジャンプの原因となっていた曲銃床を廃止し折りたたみ式のストックを採用する他、グロースニク・レイル・システム(G.R.S)を搭載し、各種光学照準機・バイポッド・Rv-193グレネードランチャー等を装備可能となった。オリジナルの信頼性は若干損なわれてしまったが、自由主義諸国の小銃にも劣らない精度、拡張性を獲得することに成功した。




・VAMHC

AvtoKeNR社製の汎用四輪駆動車。ヴァンハックの愛称で知られる。

介入戦争において、寒冷地での信頼性の高いディルタニア連邦製小型四輪駆動車を駆使し勝利を掴んだヴァリニール自由政府であったが、安価ゆえに耐弾性や積載量に乏しく、軍上層部は戦中から新型汎用車両開発の必要性を痛感していた。

V.C.29年、AvtoKeNRが試作車を製造する事で決定。これが採用され、30年から本格的な生産を開始した。先代の高い耐久性を継承しつつ、装甲防御力、積載量を付与したため、車体重量は大幅に増加したが、6.3Lディーゼルエンジンの搭載により良好な走破性も維持している。重機関銃や自動擲弾発射器等、様々な火器をターレットリングに搭載可能であり、ガルトニク対戦車ミサイル搭載型であるVAMHC-tmcは有効なアウトレンジ対戦車戦力に乏しいヴァリニール地上軍の貴重な対戦車戦力として稼働している。

リルバーン帝国、神州民国、ルード・ヴァズニスク統一連合に少数が輸出され、民生仕様車はウィルバー合衆国、ミッテラント王国等、友好国を中心に良好なセールスを記録しているとのこと。

ざっき

以前使用していた雑記ブログがPCの故障で利用不可能になったため(パスとか忘れたw)、雑記・報道の場として再編成。


箱国に関係ない記事がついったーに流れるね、うん。


苦情がくるようなら分離しますので。








・ネットが繋がらないお


オヤジ殿の暴挙で0に帰った我がメインPC。


箱国に使おうと思ってたグルジア軍の画像とかフォトショのデータとかみんなパーですよ^^うぎぎ。


まぁそれはバックアップとってなかった俺の責任だから致し方無いとして・・・





はようネット使えるようにしようや(迫真


プロバイダの契約とかパスなんて知らないよ(棒読み





HoI2とかvicとか塗りとか早くしたいです。自分でなんとかできんかな・・・





そしてPS3もネットに繋がらず。おぃィ?


PS3の方は原因不明。以前にも一度似たような事があったから放置プレイ。デレるまで待つ方針でいく。


せっかく買ったCoD4ができないのには少しショボン。









・落書き




旗を持つ名も無い女。旗が見えない時点で構図的に死んでます。

周囲に触発されて描き始めた落書き。まだまだ課題は山積み。


趣味というには稚拙すぎる。あひぃ

シワのつけ方とかわかんね。某先生本とか買って本格的に修練しようかなぁ・・・

妄想(1)

◆中央平原 10月9日 10:20 p.m

『目標ハイダルまでおよそ・・・km。作戦中の・・・隊は主要幹線道路沿いの敵・・・を撃滅しつつ・・・』
耳障りなノイズが走り、声は消える。この戦車に搭載されたヤード製の仰々しい無線機はすぐに癇癪を起こす。
「くそっ、このポンコツが!」
短気な無線手が悪態を付きつつ、頑として言う事を聞かない無線機をボンボン叩く。道具は使い手に似るというが、この男を見ているとそういう事もあるのだろうという気分にさせられる。
普段は何時もの事と笑うクルー達も、今日ばかりは無線手と同じ事を心の隅で思っていた。
5年前に始まったこの戦争の緒戦で、自由政府は国土の4割を喪失していた。
赤軍の圧倒的な波状攻撃。徹底的に粉砕され、首都レニエフを失い、リルバーン帝国兵と共に方々を逃げ回った我々が、レムストポリという小さな街での戦闘を契機に優勢に転じた。
われ等が第1コサック軍司令官の名を冠した大攻勢。反共諸国からかき集められた装備・補給物資、自由政府の有する兵力の4割を投入するこの戦いが、勝利で終わるにしろ、惨めな敗北で終わるにしろ、多大な流血を伴うのは高校も出てないウチの装填手でも理解できた。悪運だけは強い3人だが、無線機の故障も不吉に感じるのは致し方ないだろう。

10日の進撃が可能な量の燃料、弾薬。そして多くの随伴歩兵を乗せた『ポードヴィク』DST-11戦車の一団は収穫期をとっくに過ぎた麦畑の中をノロノロと行進する。
ディルタニア有数の穀倉地帯として名高く、例年豊かな恵みをこの貧国に与えてきたこの平地は、無限軌道、砲爆撃で黒土を地表にさらけ出していた。無限軌道が黒ずみ始めた麦を飲み込むのを見るうち、父が廃棄麦を処理する姿を思い出した。革命国民学校の生徒だった時よく見た空は、友軍の見境の無い準備砲撃、近接航空支援で黒煙が立ち込めている。

明らかな加重にDST-11の1050馬力ガスタービンエンジンが低く唸る。この鈍重な猛獣は人に跨がれるのが酷く嫌いらしい。
「レーリオ2より車上の随伴歩兵。北北東の状況を説明されたし。」
車長が車外の「積載物」との会話を試みる。が、ジリジリとノイズが流れるのみ。
やむを得ず車長がハッチに手を伸ばした時、悲鳴のような独特の甲高い轟音が聞こえる。
咄嗟に体をかがめるのと同時、車体の上面に何かが激しく叩きつけられた。トマトを潰したような不快な肉感を持つ音が車内に響き渡る。猛烈な砲爆撃を辛うじて逃れた自走式多弾頭ロケット発射機の一斉射だ。
―助かった。対人弾頭だった。
自分の四肢が繋がれあっている事を確認し、思わず安堵する。
「随伴歩兵、敵のロケット砲撃を確認。被害状況を報告せよ。」
受話器はノイズ音を響かせるだけであった。・・この無線機が癇癪を起こしていないとしても、答えは返ってこないだろう。
車体が積載から開放され、急激な加速。まるで足枷でも外されたかのように、ガスタービンエンジンが
40数tの質量を軽々と動かす。
車外の様子は考えたくも無かった。鉄の暴風雨の後降り始めた雨が、血も、臭いも流し去ってくれる事を心から願った。

2009年9月6日日曜日

ヴァリニール日報第3号

◆ウィルバー合衆国との友好条約を締結
今日、共和国外交部はウィルバー合衆国と友好条約を締結した事を発表した。
これにより外資企業向けの法整備、環境整備が加速すると思われるが、いわゆる「二つのヴァリニール問題」が諸外国の投資筋を勇み足にしていることは否定できない。
ブチェンコフ首相は「我々はこの問題を冷静に解消したいと考えている。我々とディルタニア連邦構成国は互いを国家と認めておらず、会話すら難しいというのが現状であるが、我々には愚かな選択肢しか残されていない訳ではない。」と記者に話した。
専門筋は、「現在の外交姿勢はヴァリニールの国情を顕著に表していると思う。やっと復興に目途が立った手前、ここでなんのアクションも起こさずディ連との戦争に踏み切るのはあまりにも稚拙すぎるだろう。だが、我々が二つのヴァリニール問題で2年前に勝ち取った独立を脅かされているのは確かであり、国民も最終的な解決を軍事力に求めるやも知れない。」とコメントしている。

◆リルバーン帝国、リルバーン共和国からの亡命者20数万人を保護
リルバーン帝国は今日、リルバーン共和国からの亡命者20数万人を保護した事を発表した。
リルバーン共和国は広大なディルタニア連邦軍の軍事用地を抱え、その経済的負担は一般民衆に皺寄せされている事が予想される。
共和国政府は帝国に対し、亡命者のための支援物資を提供したいと申し出たとの事。

◆神州民国との防共協定締結
今日、首都レニエフにて神州民国との防共協定が調印された。
これにより、我が国は神州民国を全神州における唯一の合法政府として、神州民国は我が国をヴァリニール地域における唯一の合法政府としてそれぞれ承認し、ディルタニア連邦との諸問題に協力してあたる事に同意がなされた。
現在神州人民共和国では軍閥による群雄割拠状態に陥り、国家としての機能を失いつつあるとの事。

◆その他のヘッドライン

・バーラシア共和国、反体制派を大量逮捕

・ファーレラントとの国交樹立

2009年9月5日土曜日

ヴァリニール日報第2号

◆ディルタニア連邦、ヴァリニール民主共和国の発足を表明。官房長官は武装組織として対応すると発言。
昨日、ディルタニア連邦は国際会議場にてヴァリニール民主共和国なる組織の発足を表明した。
これに際してゴルベンコ官房長官は緊急会見を開き、「我が国としてはディ連邦内部における対ヴァ正面戦闘部門、政治工作部門、非合法活動部門と認識している。どうにせよ、この組織は政治干渉を企図したものであるのは確実であり、今後は適切な手段で対応する」と発言した。

◆東部に戒厳令を発令。
今日午前10時、政府安全保障局は東部7州に対し戒厳令を発令、検問や特殊任務連隊による域内警戒の実施が決定された。
安全保障局長は「ヴァリニール民主共和国の発足への対応。治安維持の為必要な処置」と説明。専門家は「公安関係者はディ連の国内浸透と工作を恐れている。この情勢下では致し方ないだろうが、戒厳令の発令はいきすぎているのではないか」とコメントした。
現在東部7州では親族などを頼って中部や西部に避難する市民が現れつつあるが、「冷静に行動するよう」政府は呼びかけている。

◆ブチェンコフ首相、リルバーン帝都へ。

◆ウィルドスカヤ都市開発計画を発表。「時期に合わない」との声も

2009年9月3日木曜日

ヴァリニール日報創刊号

◆自由主義諸国との国交開設が始まる。対外関係の構築へ
外務省はウィルバー合衆国・ルージェノワール王国・リルバーン帝国・グレートレイリル及びヴィントランド合同王国・ミッテラント王国・ルード・ヴァズニスク統一連合との国交開設に同意がなされた事を発表した。
スヴォク外務次官は「我々は国際社会という舞台に昇ってまだ日が浅い。強固な関係を持つ国家に乏しい事は否定できないが、だからこそ我々は外交的なフリーハンドを有していると言えるのではないだろうか。」とコメントしている。



◆暗雲立ち込めるディルタニア情勢。リルバーン帝国、オルトワルド講和条約を破棄。神州民国との防共協定締結
介入戦争以来、表向きでは平穏を保っていたディルタニア情勢が現在悪化の一途を辿っている。
リルバーン帝国=リルバーン共和国間での軍事的緊張は高まる一方であり、また国土奪還を目指す神州民国・矢連邦から独立したルード・ヴァズニスク統一連合も防共協定を結ぶなど、ディルタニア一帯の情勢は悪化に歯止めがかからない状況だ。
共和国はリルバーン帝国・ルード・ヴァズニスク統一連合を独立国として承認しているが、これ以上ディルタニア情勢を刺激する事は得策とはいえないとし、今回の対立からは一歩引いているものの、北方統合任務群の増強を開始するなど、周辺の緊張に対応を始めている。



◆補助金の支給始まる。ネットインフラ整備の起爆剤となるか
先日最高議会を通過し成立した「ネットインフラ整備法」に基づき、本日から整備補助金の支給が始まった。
一般向け、法人向けに費用の4割に相当する額が支給され、ネットインフラの整備に期待がかかる。
現在国内でのインタネット普及率は32%に留まっており、これによって勇み足を続ける外資系企業を環境面でサポートしたいという思惑もあり、この計画の成功如何が今後の経済成長に影響を与える事が予想される。

2009年9月2日水曜日

ヴァリニール共和国の軍事

ヴァリニール共和国軍
地上軍(陸軍)、海軍、空軍の3軍からなる共和国の国防組織。
アムリヤスク介入戦争を戦い抜いた西ヴァリニール軍の部隊を中核とし、国土の保持に主眼を置く。
装備の陳腐化が著しく、早急な更新が要される。

・ヴァリニール地上軍
東西に2つの軍管区、北部に1つの統合任務群、そして首都とその近郊を守る中央即応集団から構成される。
機械化部隊が充実しているが、装備する兵器は「骨董」とさえ呼ばれる物もありその能力は現時点では非常に限定的。
軍団以上の規模の部隊には対空戦闘団が複数付与されるなど、防空を非常に重視。


・ヴァリニール空軍
3個の航空軍から構成。
介入戦争の戦訓として空軍を重視する動きもあり、多くの予算が投入されている。
装備は国内での制空戦闘、近接航空支援を想定し、重武装・高機動を重視。


・ヴァリニール海軍
2個艦隊、レムストポリ・エレーサの沿岸集団、海軍歩兵隊を擁する。典型的な沿岸海軍。
ヤードゴニエ製重巡洋艦を2隻保有。近代化を行い現在も艦隊旗艦として運用。

2009年8月30日日曜日

人物(2)

ヘンルィク・ゴルベンコ
共和国内閣官房長官。
反共主義組織のメンバー時代は「瞬間湯沸かし器」とも渾名された血気盛んな青年であったが、現在は冷静かつ行動力のある政治家として広く知られる。

ゴシップ記事に反共主義組織時代に起こした傷害事件を取り沙汰され一大スキャンダルとなった時、発行会社の玄関前で拳銃自殺をしようとしたエピソードはあまりにも有名。(本人は「会心の演技だった」とコメント)

 

 

 



エヴグラーフ・H・ドルグシキン
共和国内務大臣。レイリルのとある大学で客員教授を務めた知外派。
古典的な経済政策を主張し度々ブチェンコフと衝突するが、プライベートでは「先生」と慕われる間柄であり、彼女の舵取りを内政面からサポートする。

 

 

 

 

フェドート・ドルゴラプテフ

共和国外務大臣。ブチェンコフの大学時代の級友としても知られる。

外交面では本来門外漢であるブチェンコフが介入戦争時代に成果を挙げられたのは彼の手腕による処が大きいとも。

 

 

 

 

ニコライ・ゲオルギエフスキー
共和国陸軍大将。東方軍管区司令官。
介入戦争では国内軍第1軍団を指揮。耳触りの良い声で部下に指示を出す事で知られ、「詩吟将軍」と称された。
知矢派としても有名。

 

 

 

 



フェーリクス・グレシネヴィコフ

共和国陸軍大将。西方軍管区司令官。
介入戦争に第12歩兵師団長として従軍。常に最前線に立ち、8度の負傷を経験。英雄勲章を2回授与された勇者。
コサック軍司令官ベスフメリニツィン、第1軍団司令官ゲオルギエフスキー、そして第2軍団司令官ブラゴヴォリンと並んで介入戦争の英雄と称される。
古きよきヤード人といった趣のある大男。粗暴だが人情に厚く、多くの将兵に慕われる。

ヴァリニールの企業

・AvtoKeNR
ヴァリニールで最大規模の自動車製造会社。
主に重車両を中心に事業を展開。高出力と簡潔な車体構造、信頼性・経済性の高さ、そして大きな輸送力を売りとしており、国内はもちろん新興国を中心に数多くの国家で使用されている。
軍用車両としても多く利用され、その信頼性・経済性の高さからなどから兵員輸送車、レーダー車両やロケット砲・ミサイルのプラットホーム等、様々な国、範囲で採用の実績を持つ。

・K・Fドルジエフ記念ジデンコ機械製造設計局
ヴァリニールの国営軍需企業。VT-79・VT-81等の主力戦車を含むヴァリニール陸軍の戦闘車両の設計・製造を手がける。
矢連邦時代はDST-11、SPC-5等の組み立てを請け負い、重要な生産拠点として活動した。
ヴァリニール軍の装備の特徴として、共産圏装備特有の良好な生産性・整備性を受け継ぎつつ、爆発反応装甲、火器管制装置等の新技術を搭載し、また微妙な外交バランスを反映して自由主義諸国で一般的に採用される砲弾、弾丸に対応している事が挙げられる。

2009年8月28日金曜日

リヴィエリト介入戦争(案)

◆アムリヤスク介入戦争(案)
アムリヤスク介入戦争(Amuriyask Intervention War、2000年‐2007年)は、6月暴動による西ヴァリニール自由共和国政権発足後に、ヴァリニール東西の統一をめぐって同地で行われた戦争である。
形式的には西ヴァリニール共和国=アムリヤスク民主主義人民共和国間の戦争だが、実際はヤードゴニエ社会主義共和国連邦とウィルバー合衆国、リルバーン帝国、三洲連合共和国、ルージェノワール王国に代表される反共主義勢力の対立を背景とした『代理戦争』の様相を呈した。


◆年表
1997年:反共革命同盟軍がダヴイドフグラードを解放。「西ヴァリニール自由共和国」として分離独立を宣言(10月)


1998年:国連安全保障理事会、ヴァリニール平和維持軍を派遣(5月~翌年11月)


1999年:リルバーン帝国が自由共和国に軍事顧問団を派遣(1月)、ヤードゴニエ社会主義共和国がこれを非難、アムリヤスク民主主義人民共和国にアムリヤスク治安維持作戦群を派遣(6月)

2000年:アムリヤスク人民解放軍が非武装地帯を突破。交戦状態に突入(2月)、アクショネンコ自由共和国大統領暗殺(9月)、ベルデンニコフが戦時大統領に就任(10月)

2001年:ディルタニア内海事件(3月)、リルバーン帝国の本格派兵始まる。ヤードゴニエ社会主義共和国が『西ヴァリニール偽政府の武力鎮圧』を表明(6月)、複数の国家が派兵を開始。

2002年:労農赤軍アムリヤスク治安維持作戦群がレニエフを制圧(1月)、ブチェンコフ女史による対外支援交渉が始まる(5月)、自由共和国が領土の20%を喪失(7月)

2003年:リルバーン帝国が東爆を開始(1月)、アムリヤスク人民解放軍がレムストポリを包囲(3月)、自由主義諸国による自由政府支援が活発化。
2004年:シー・ロード作戦発動。アムリヤスク人民解放海軍が事実上の壊滅。レムストポリの海上補給が回復(2月)、ヤードゴニエ社会主義共和国が部隊を増派(6月)、神州人民共和国・大日照民主共和国がアムリヤスク民主主義人民共和国に軍事支援を開始(7月)

2005年:レムストポリの戦い。ブリュハノフ将軍麾下の増強兵団がヤード・アムリヤスク軍を撃退(4月)、ヴィンニンツァ攻勢。コサック軍がレニエフを奪還し、開戦前の国境まで戦線を回復(10月)

2006年:エニプエル川の戦い。ヤードゴニエ海軍歩兵部隊が西ヴァリニール軍の進撃を阻止(3月)、ヤードゴニエ社会主義共和国が段階的な撤兵を開始(8月~)、ベスフメリニツィン作戦。国内軍第2軍団がエニプエル川を渡河しアムリヤスク臨時首都エネリツクの20km前面に到達(10月)

2007年:オーラム協定締結(4月)、リルバーン・ヤードがヴァリニールからの撤兵を完了、自由政府が攻撃を再開(6月)、エネリツク陥落。アムリヤスク民主主義人民共和国崩壊。(12月)


‐‐‐‐

西ヴァリニール自由共和国軍

6月暴動を口火に蜂起した反共勢力の各戦闘部門を統合した組織。
慢性的な兵力不足、近代化の遅れなどが目立ち、1999年に派遣されたリルバーン軍事顧問団の幹部が「もしLAにおけるヤードゴニエの被害がもっと軽微だったなら、彼等は片手間で鎮圧されていただろう」と手記に記す程の杜撰な状態であった。
初期は共産圏の小銃、対戦車無反動砲等を中心としたゲリラ戦術を採用していたが、年次が進むにつれウィルバー合衆国、三洲連合共和国等の軍事支援は規模を拡大し、終戦時には戦車・装甲車等の正面装甲戦力はもちろん、各種火砲、歩兵携行装備、更には戦闘機を保有するまでに至る。

アムリヤスク人民解放軍

アムリヤスク民主主義人民共和国の国軍。総兵力は28万6000人。
ヤードゴニエからの援助もあり、装甲戦力・制空部隊等も保有していたが、優秀な指揮官の欠落、士気の低さ、人海戦術への固執により実質的な戦力としては非常に脆弱であった。
労農赤軍の本格派兵が始まってからは2線級部隊として扱われ、後方の警戒、戦線の増強等の副次的な任務に充てられた。

リルバーン帝国軍事顧問団
ディルタニア大陸有数の大国として君臨していた「帝国」リルバーン。LA後混迷を極めたユークトバニア地域に出兵し、エステルプラッテを併合するなど、ディルタニア大陸における反共勢力の主役として立ち回る事となった。
リルバーン首脳部はアムリヤスク分裂の当初から自由政府の支援を決定していたが、安武皇国主導によるヴァリニール平和維持軍の存在もあり、大々的に兵力を送る事は不可能となり、代替的な支援として派遣された総勢500名の軍事顧問団は自由政府軍の教育訓練を行うと共に、同軍の兵力不足を補うべく活動した。
平和維持軍が撤退した後は西ヴァリニール軍事支援司令部へと改変され、自由政府軍の近代化を積極的に支援する事に。

リヴィエリト治安維持作戦群
LAの被害により6月暴動には介入出来なかったヤードゴニエであったが、国力の回復とリルバーンの軍事顧問団派遣に伴い、2000年1月までに14万人規模の治安維持部隊を派遣した。
この14万人には完全充足の4個機甲師団、8個機械化歩兵師団、また連邦国家保安人民委員部の特殊部隊も含まれ、ヤード撤兵まで非常に高い能力を発揮した。

ヴァリニール平和維持軍

安武皇国・クラトニア共和国・ローゼンクロイツ民主共和国の国軍を中核とした国連軍。11カ国が参加し6万3000人規模で平和維持任務に就いた。
このPKF派遣はヴァリニールの平和維持という名目で展開されたが、実際はリルバーン・ヤードゴニエに対する牽制的処置という側面も大きく、事実平和維持軍が展開中同地の治安状況は非常に良好であった。
しかし、参加国の中にはLAの被害から立ち直っていない国も多く、結局18ヶ月で国連軍は撤退する事になる。

‐‐‐‐

・ディルタニア内海事件
アムリヤスク海軍の巡視艇がリルバーン海軍の駆逐艦に3発の魚雷を発射、交戦状態に突入した事件。
この事件を契機にリルバーン帝国は本格的な派兵を始め、2003年までには約19万2000名もの兵力がヴァリニールに送られた。

・第1次レニエフの戦い
自由政府首都レニエフ(旧名ダヴイドフグラード)を巡って自由共和国軍、矢連邦アムリヤスク治安維持作戦群が交戦。
レニエフの空軍基地に特殊部隊を空挺降下させ、航空兵器を無力化させるとともに迅速な機動で自由政府軍の防衛線を突破。無防備都市宣言を行ったレニエフに入城する。
当時貧弱な対空火器しか保有しなかった自由共和国軍にレグヤンDTH-3を中心とする戦闘ヘリが猛威を振るい、この前後で自由政府領の20%を奪取する事に成功した。

レニエフに入城する矢連邦陸軍第78機械化歩兵師団の歩兵輸送車

・シー・ロード作戦
緒戦の敗退で6個陸軍師団・アムリヤスク海軍に包囲されていた軍事都市レムストポリを救援するべく、リルバーン帝国海軍、自由人民艦隊、三州連合共和国の潜水艦数隻による連合艦隊がリヴィエリト第1、第2艦隊を攻撃。
リルバーン、三州艦隊のミサイルによる飽和攻撃によりアムリヤスク海軍が壊滅。空路による危険な物資輸送しか出来なかったレムストポリの海上補給路が回復し、ブリュハノフ将軍麾下の増強兵団がレムストポリに送られる。11ヶ月に及ぶレムストポリ陥落の危機は去り、これを機に自由共和国軍は優勢へと転ずる。

・レムストポリの戦い
シー・ロード作戦の後も依然として市街地を包囲していたアムリヤスク陸軍が、神州人民共和国・大日照民主共和国等の軍事支援と治安維持作戦群の増強を受けレムストポリを攻撃。
ブリュハノフ増強兵団は巧妙に構築した防衛線と海軍・空軍の協力でこの攻撃をはじき返し、攻勢軍に多大な損害を与える。
この後、レムストポリ制圧は無期延期にされ、結局アムリヤスク軍は終戦までにレムストポリを落とす事が出来なかった。

戦闘によって破壊されたレムストポリ市街地

A・H・ブリュハノフ
自由共和国陸軍少将(当時)、ブリュハノフ増強兵団指揮官
卓越した防御戦術理論の持ち主として矢連邦軍時代から注目を浴び、自由政府に参加した後はエレーサの防衛を指揮。
シー・ロード作戦によりレムストポリとの連絡が回復すると2万4000名の増強兵団の指揮官としてレムストポリに入城、以後同市の防衛を監督する。
2005年のレムストポリ攻撃では巧妙に構築された防衛線と貴重な装甲戦力の有効活用によりレムストポリを死守。英雄と称された。
現在は第4軍団司令官。



・ヴィンニンツァ攻勢
自由共和国軍によるヴィンニンツァ方面への攻勢作戦。
第1コサック軍以下、リルバーンによる教育と各国の支援で高度に近代化された共和国軍がアムリヤスク軍の防衛線を突破し、矢連邦軍の側面を脅かす。
包囲殲滅を恐れた矢連邦第19軍がエニプエル川まで後退。以後防衛に注力する。
この攻勢により、2005年10月には戦線を開戦当時の国境線に押し戻す事に成功。

中央平原を進撃する第1コサック軍所属の戦車旅団

リルバーン帝国軍による集中的な教育と各国の援助により自由共和国軍の切り札となった第1コサック軍。
彼等は共産圏の改造戦車から三州、ウィルバー製のものまで「戦闘車両」と名のつく物は全て利用し、軍容は非常に多彩であった。

・第2次レニエフの戦い
第3コサック軍がレニエフを守備中のアムリヤスク第9、第12師団を攻撃。
後方を遮断された防衛軍は大した抵抗もせず降伏。

・エニプエル川の戦い
ヴィンニンツァ攻勢の後も有利に戦闘を続けていた自由共和国軍と精鋭の誉れ高いヤードゴニエ海軍歩兵部隊がエニプエル川を挟んで対峙。
海軍歩兵部隊の弾性防御と空軍の航空支援に阻まれ進軍を停止。この膠着状態はヤードゴニエ社会主義共和国が段階的な撤兵を開始するまで続く。

矢連邦海軍歩兵

独自の装甲戦力こそ乏しかったが、その練度と良好な指揮統制はいわば「急ごしらえ」の自由共和国軍の攻撃を見事に阻み、「青い鬼」と恐れられた



・ベスフメリニツィン作戦
国内軍第2軍団が矢連邦軍から任務を引き継いだアムリヤスク軍部隊を攻撃。
エニプエル川の渡河に成功し、年末にはアムリヤスク臨時首都エネリツクの20km前面にまで到達。

エネリツクに向けて進撃する第34自動車化連隊

・オーラム協定締結
ウィルバー合衆国首都、オーラムD.A.にて和平協定成立。
ヴァリニールに展開中の全外国軍がこれにより撤収。
オーラム協定の締結から2ヵ月後に自由共和国軍は攻撃を再開、エネリツク陥落。アムリヤスク民主主義人民共和国が崩壊。

2009年8月27日木曜日

設定:アルテブリュガース

アルテブリュガース
エレーサの北方に位置する都市。
アルテブリュガース原子力発電所事故により放射性物質に汚染されゴーストタウンと化した。現在は「立ち入り制限区域および強制(義務的)立ち退き区域」に指定。
人間が再び居住出来る様になるには数世紀必要と言われるが、発電所の周囲には自然が戻り、皮肉にも希少生物の数が増えつつある。

アルテブリュガース原子力発電所

事故時の正式名称は「S・D・ベリヤ共産主義記念アルテブリュガース原子力発電所」。現在は「アルテブリュガース原子力発電所」と改称。
1975年から一号炉が竣工。5つのプラントで構成され、合計で矢連邦の原子力発電量の20%を占めていた。
1990年4月23日午前2時41分に四号炉がメルトダウンの後爆発。放射性降下物がヴァリニール・ヤードゴニエ・旧トラインデルトを中心にディルタニア大陸広域を汚染する事故を起こした。
ヤード政府は住民のパニックや機密漏洩を恐れ、この事故を隠蔽。この事故が正式に世界に公表されたのは事故発生から6年後の1996年であった。近隣住民の健康被害、環境への影響、政治的・経済的ダメージは現在も正確に把握されていない。
この規模の原発事故は他に例がなく、世界の原子力開発の歴史の中で最悪の事故と言われている。

四号炉を覆う「石棺」

事故を起こした四号炉は現在コンクリート製の建造物に覆われているが、老朽化が著しく、補修が急がれる。

2009年8月26日水曜日

国内の人物

グリゴリー・ブラゴヴォリン
共和国初代大統領。閉鎖的であったリヴィエリトにおいてウィルバー合衆国で政治学・軍事学を学んだ数少ないインテリ。国外から反共主義勢力を支援し、6月暴動が始まるとともに帰国、ヴァリニール国内軍第2軍団を指導。有能な野戦指揮官として、また自由主義諸国との重要なパイプとして自由共和国政府のナンバー2としての地位を確立する。
ヴァリニール共和国成立後、「ヴァリニール自由党」を結成。第1回大統領選挙で見事当選を果たした。
眼鏡をかけた穏やかな風貌の男だが、内戦時には苛烈な戦争指導で知られた。民主主義の闘士として国民の絶大な支持を受ける。


ソフィーヤ・ブチェンコフ

共和国初代首相。ヴァリニール・コサックの父とヴァリニリア人の母を持つ。国家プロジェクトの一環としてルージェノワール王国に留学、経済学を学ぶ。
6月暴動時はコサック系組織を指導。自由政府の対外交渉を任せられ、ウィルバー合衆国の仲介を取り付ける事に成功する。
共和国成立後はコサック系コミュニティーの指導者となり、大統領選においてブラゴヴォリンを強力に支持。ブラゴヴォリン勝利の原動力となった。
現在はブチェンコフ大統領の下首相を務め、国内産業の復興、安全保障の確立等の激務に追われる事に。
留学時代にルージェノワールの華美な服に心を奪われ、以降フリルを愛好するようになったとか。
人民服の一団の中で一人ドレスを着て和平会議に出席した事で知られ、それをキッカケに国外にも広く知られるようになる。



V・C・ジャシチェフスキー
自由人民艦隊司令官。最終階級は自由政府海軍大将。
リヴィエリト人民解放海軍レムストポリ艦隊の司令官としてエレーサ砲撃の命を受けるが、市民に対する無差別攻撃を拒否。ヴァリニール全土に決起を促す放送を行う。
西ヴァリニール自由共和国が成立するとこれに帰順。自由人民艦隊の司令官に任命され、ヤード海軍と交戦する。
彼自身はヤード介入後2年で戦死するが、練習艦に名を残す等、ヴァリニール反共革命のキーマンとして記憶される一人。




アルセニー・ベスフメリニツィン
共和国軍統合参謀総長。内戦時はヴァリニール解放コサック軍を指揮。
彼の率いるコサック軍は6月暴動でダヴイドフグラード(レニエフ)を解放し、介入戦争では唯一の機械化軍として多くの犠牲を払いながら勝利に貢献し、英雄として祭り上げられた。
無口で頑固な老人であり、コサックの地位向上を強く訴えている。

国家設定

ヴァリニール共和国

国の標語:全ヴァリニール人の自由の堅持
国歌:悠久のヴァリニール
公用語:ヴァリニール語
首都:レニエフ
最大都市:レニエフ
国家元首:グリゴリー・ブラゴヴォリン
首相:リーリヤ・ブチェンコフ
通貨:カルボーヴ(VC)

☆主要都市

首都:レニエフ
旧名ダヴイドフグラード。ヴァリニール共和国首都。
主要政府組織の大半を有する政治の中心地。

エレーサ
共和国南部の港湾都市。重要な貿易港を持ち、またこれまでの歴史上様々な国の支配を受けてきたため、非常に国際色豊かな都市となっている。

レムストポリ
ディルタニア内海に面したリゾート都市。古来は軍港都市・商港都市として栄えた。

☆政治
議会制民主主義。

☆経済
レムストポリ革命とアムリヤスク介入戦争の結果、国内の産業基盤は壊滅。
政府は自由経済を指標としているが、市場への介入を余儀無くされている。

☆産業
豊富な資源、肥沃な穀倉地帯を有する資源国。
矢連邦時代は造船や鉄鋼業、製油業等の重工業が発達するが内戦により産業は荒廃。
ブチェンコフ政権は国内産業の復興を第一に掲げている。

☆教育
6歳から17歳までの11年間を義務教育とする。

☆人種
ヤード系のヴァリニリア人、北部のヴァリニール・コサックが中心。

☆宗教
ヴァリニール東方正教が主流。

☆国内情勢
アムリヤスク社会主義連邦共和国としてヤードゴニエ社会主義共和国連邦の一領邦として扱われる。
豊富な地下資源と豊かな穀倉地帯で知られ、ヤードゴニエ全体の産業と農業を担う重要な地域の1つであった。
Lost Artemisを契機に矢連邦から独立。アムリヤスク民主主義人民共和国となる。
独立を果たしたアムリヤスク人民共和国であったが、時代に即さない農業集団化などの失策が続き、反体制感情が西部を中心に燻り始める。
政府は3軍を動員した粛清に乗り出すが、エレーサの沿岸砲撃を命令されたレムストポリ艦隊が反乱を起こすと共に、艦隊司令官V・C・ジャシチェフスキー海軍中将が全ヴァリエール人民の決起を促す放送を行う。
これに西部の反共主義者、農民、抑圧されていたヴァリエール・コサックが呼応し、大暴動となる。(6月暴動)
ヴァリニール国内軍、白色革命軍、ヴァリニール解放コサック軍等の反共革命同盟軍はダヴイドフグラードを含む西リヴィエリトを解放しヴァリニール自由共和国を設立。
矢連邦政府は「西ヴァリニールの反革命武装蜂起の鎮圧」としてヤードゴニエ労農赤軍を派遣。自由主義諸国から秘密裏に支援を受けた自由共和国軍との間で戦争状態に突入する。
最終的にはウィルバー合衆国の仲介により和平が成立し、ヴァリニールの反共革命は成功裏に終結するが、およそ7年に渡る国内戦は国内の産業・経済を破壊し、独立国家として最悪の状態でスタートを迎えた。