2009年12月18日金曜日

ヴァリニール日報第14号

◆揺れる安武問題にスピリックス連邦「論議の中断」。ヴァリニールの一手は

現在、安武群島を巡り昇陽帝国とスピリックス連邦の間で対立が起きている件について、シュルビッチ主席外交責任官からお話を伺う事ができた。

記者―昇陽・スピリックスの対立は我が国にどのような影響を及ぼすのでしょうか?我が国はそれに対して何らかのアクションを起こす事を考えているのでしょうか?

「昇陽帝国はキーファルン公国と並ぶネルヴィルの重要な友好国であり、すでに多数の資本・人材が同国に入り込んでいる。また、スピリックスもネルヴィルの重要航路を十分掌握可能な位置に存在する。もしこれ以上両国の溝が深まれば、ネルヴィルとの貿易で多大な利益を上げている我が国の鉄鋼産業にも多大な影響を及ぼしかねないと考えている。さらに言えば、万が一に武力衝突にでもなれば邦人や企業も戦災を被る事になるだろう。」

「(アクションをとる事は)可能性として十分ある。それがどのような性質でどのような規模で行われるかは私の及ぶ所ではないのでコメントできないが、大統領府が昇陽の資本・邦人の保護の為になんらかの行動を検討するのは当然の事と考える。」

記者―野党からは既に昇陽支持を表明している合同王国・ウィルバーへの「追従」であるとの批判も出ていますが?

「ネルヴィル交易が我が国に大きな利潤を与えているのは小学生だって知っている。大統領府はそれを踏まえたうえで昇陽への支持を固めている、野党はそれを「追従」という。おかしな話だ。」

「合同王国には合同王国の、合衆国には合衆国の、そして我が国には我が国の事情がある。強大国との関係でしか物を見れない人間に外交は語って欲しくないものだ。」


◆空軍、遠距離制空戦術戦闘機Rn-28の制式採用を発表

空軍広報部は今日、ルスラーン航空技術会社作製の遠距離制空戦術戦闘機Rn-28を制式に採用、年間30機を調達する予定である事を発表した。

Rn-28は旧ディルタニア連邦傑作戦闘機Silev-94に酷似したフォルムを有するが、複座戦闘機として再設計され、また火器管制・攻撃システム、フラバイワイヤ等の大幅な強化により高い汎用性をテストで証明した新型戦闘機計画の「本命」と言われている。

一機当たりの価格は破格の220億カルボーヴ。これは先進国の最新型戦闘機に匹敵するが、空軍本部はRn-28、Reig-27、VF-4を用途別・重要度別で展開するハイローミックス構想を採用する事で少数の本機を有効に運用する狙いだ。

ルスラーン航空技術会社はVC.29 年に旧シレフ設計局の技術者が立ち上げた企業であるが、経営不振が噂されていた。この大口採用により、同社は起死回生を果たしたと言えるだろう。

ルスラーン側は「他国への販売も検討している」とのコメントをしている。

◆続く惨劇、次はホルマリン漬けに。カーベンロイド州で3体の遺体を発見

昨日、東部カーベンロイド州の家屋で以前から行方不明になっていた    アンヤ・グリドフさん(16)、イーネス・ダリンさん(18)、ソインツ・アダミーシンさん(18)の遺体が発見された。

発見当時、3人の遺体は病院などで利用される検体保護用のホルマリンプールの中に保管されていたとの事。

家人であるアンソニー・アドマイホフ大学教授を重要参考人として指名手配したが、アドマイホフ教授は今月に入ってから行方が分かっていない。

アドマイホフ氏は我が国では最年少である37歳で医学教授に上り詰めた気鋭の外科医として知られていたが、数年前から傷害事件や麻薬疑惑が取り沙汰されていた。

捜査本部はアドマイホフ氏の情報提供者に最大1000万カルボーヴの懸賞金を設定した事を公表している。

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