2014年7月9日水曜日

無名箱 オカルト設定(仮)

・「見初められし者」
異界の支配者達の寵愛により、彼らとの交信が可能とされる者達の総称。

ある者は悪魔の子として迫害され、ある者は長すぎた軍隊勤務による精神疾患と診断され、ある者は苦悩し自ら命を絶ち、またある者は王佐の器として重用される等、その境遇は時代や身分により様々である。イヴァインベルクを統一したイントヴァルド公爵フレデリクも「見初められし者」であったとされている。

「見初められし者」は特定の一柱と否が応でも交信し、彼らからの助言(あるいは誘惑、佞言・・・)を受ける。その姿や声は通常の人間には知覚されないが、「見初められし者」同士は互いの肩に手を添える異形の者の姿を見る事が出来る。「見初められし者」はそれを単位に組織化された集団ではなく、敵にもなり得るし、生涯の愛の相手にもなり得る。彼らの知覚している存在が「存在している」かすら一般には明らかではなく、特異な精神疾患として扱われる事が大半である。

「助言者達」自体が力を行使する事は無いが、「見初められし者」は彼らの言動に容易に影響され、周囲を当惑させ、そして恐れさせる。


・「助言者」
異界の貴族達の内、この世界に多少なりとも関心を持ち、自らが見初めた人間に助言を与える者の総称。49の悪魔から成り、その内上位の15柱は強大な力を持つとされる。

彼らの本質は邪悪であり、人間達の世界への介入も暇つぶしや無用なおせっかい、臨床実験、いやがらせといった類の動機から行われる事が多い。

彼らの助言は時に「見初められし者」達に恩恵を授けるが、気まぐれな彼らにとって人間は玩具や実験生物に近く、「見初められし者」の多くが悲惨な最期を遂げる。




ダレイオス

位階第1位。全ての助言者達の頂点に立つ『皇帝』。老人の姿で現れる。見初めし者に哲学や論理学、薬草の知識を授け、また弱った者の精神を癒す。

クサンティッペ

位階第2位。『皇后』。特定の姿を取らない助言者。愛と憎悪を司る能力は国家単位に及ぶため、戦争と平和すら支配する。

デルフィナ

位階第3位。『宰相』。冥府では炎に包まれた姿を持ち、呼び出された際は端麗な女の姿になる。見初めし者の生命力と引換えに権謀術数を授ける。

ディースブルフ城伯の助言者として彼の命を代価にイヴァインベルクの近代化を手助けする。

ヴァシレイオス

位階第8位。『元帥』。見初めし者の前に黒い鳥の姿で現れる。嘘をつかず、戦術や兵法に長けていたため、人の姿になって戦いの術に関する質問に答えるという。

レアンドラ

位階第12位。『賢者』。頭に金の王冠を載せた美女の姿で現れる。見初めし者に論理や修辞学を教え、名誉や愛情の回復に力を貸し、また美術も司る。

オフェーリア

位階第15位。『大河』。燃える蛇の尾に、背には翼を持つ牝鹿の姿の助言者。未来と過去の知識に通じ、さらに敵対している者同士を一時的に宥和させる能力を持つ。

エイレーネ

位階第37位。極めて醜い女の姿。見初めし者が望んだ女性をその場に連れてきたり、男性に対する恋心を植えつける助言者。

ベレニケ

翼を持つ女の姿をした悪魔で、殺人、屠殺を司っている。「助言者」の中では最下位。性格は非常に破壊的で、憎しみを煽動し、さらなる闘争を引き起こす。また、見初めし者に敵を殺す様々な方法を教えるという。

2014年7月6日日曜日

無名箱―イヴァインベルク王国(案)

イヴァインベルク王国

概要
人類文明圏の外縁部に位置する新興の王制国家。 エールリヒ朝初代の国王は夭折し、王位は若いレティシア姫に継承された。

君臨者たる女王を頂点に5人の公爵、13人の侯爵、さらに下位の無数の地方領主、さらに宗教権力者も交えられて政治が運営される。 人類圏の防衛線としての決意は強いが、異文明の優れた技術や知識を吸収し強大化を図る功利的・現実的な面も備えており、レティシアの統治によってその傾向は更に深められつつある。この境界線としての二つの色合いは国内政治にも影響を及ぼしており、「最外縁」である東側諸侯が異文化の積極的な取り入れを推進する一方で比較的安定した西側地域は伝統や他の人類諸国との連帯を重んじる傾向が強い。

彼らの多くは名誉と規律を教義とし、敵の勇気を称え、戦友の死を歌う戦士の血族である。若き女王が彼らの狂った死の信仰の象徴である限り、彼らはレティシアと共に地獄の底まで行軍するだろう。



歴史
イントヴァルドを代々継承してきたエールリヒ家は表向きこそ「公爵」を名乗る事を許されたイヴァインベルク有数の大貴族であったが、「向こう側の者達」と呼ぶ異文明の脅威の前に吹き飛ばされかねない貧しく哀れな地方領主というのがその実態であった。大河を挟んで異邦人と対峙するイントヴァルド公爵領は脆弱な経済力の大部分を領土の防衛に割り当てる事を強いられ、事実幾度とない敵の侵入を多大な出血を伴いつつも撃退した。この過程でイントヴァルド公爵はイヴァインベルク全土の守護者としての名声を獲得していくが、守勢一方の苦しい戦いの中で経済は停滞し、「貧困を軍事的名声で飾り立てた哀れな道化」と憐憫交じりに揶揄される苦境が続いた。

そのような苦境を打開しエールリヒ家中興の祖となったディートリンデはその軍事力をイヴァインベルクの外に、次いで内側に向ける。ディートリンデ女公は父祖が代々抱えた騎兵団を率い大河の向こうへ進出。豊かなニブナリア一帯を切り取る事に成功する。寛大な統治によってニブナリアの経済地盤と戦士達を掌握したディートリンデは対立関係にあったオストメーヒャー、ベッテン、レンドルフの三家を謀略の嫌疑を名分に征服。ニブナリアを合わせ、イントヴァルド公爵領をイヴァインベルク最大の勢力にまで成長させる。その後数代にわたってエールリヒ家はイヴァインベルク有数の大貴族として振舞うが、イントヴァルド公爵の権勢を嫌う諸侯は「向こう側の者達」をイヴァインベルクに誘引し、東西からイントヴァルドを挟撃した。

時のイントヴァルド公爵エメリッヒは「向こう側の者達」とニブナリアの一部割譲による単独講和を結ぶ一方、9000騎の公爵軍とニブナリア兵を率い3万の諸侯軍とグリンジャーで激突、連携の取れぬ諸侯軍を粉砕する。この戦いの後も優勢に戦いを進め、アードルング侯爵領の相続権と経済都市マーツリンゲンを獲得し、イヴァインベルクでの優越性を確固たる物とする。

エールリヒ朝を開闢した先々代イントヴァルド公爵フレデリクは政略によってブレメルリッツの支配権を掌握すると共に、エルナ、ミュンハーハイムの南部二領を軍門に加えイヴァインベルク北西部を除く全域を席巻し、満を持して諸侯を「ブレメルリッツ王国会議」へ招聘。もはやエールリヒ家に抵抗する事ができぬ事を悟った多くの諸侯がこれに従い、フレデリクの子ハインリヒを初代国王として戴君するイヴァインベルク王国が誕生した。

フレデリク老公が北西部で抵抗を続けるミッテルフォスト侯爵と彼の傀儡同盟の掃討の最中に陣没し、ハインリヒもイヴァインベルクの平定から7年で夭折した事で成立間もない王国はにわかに動揺したが、ハインリヒの娘レティシア姫がニブナリア近衛兵を率い王宮を制圧。迅速に王位を継承し、反乱の発生を阻止した。

2012年1月22日日曜日

もうそ

ヴェルフェダイン
狼の末裔を自称するヴェステルラント・ヴァイキングの部族。北海と大陸中の大河を駆け、交易と海賊行為の利益で繁栄する。



ディージング公爵領
ツェンティレムの北限に位置する辺境の公爵領。ノージアン(北方民)の南進を抑えるべく組織された真珠騎士団の末裔。深い森の中で信仰と不変の帝国勢力圏を維持する。



リエナ同盟
ツェンティレムを流れる大河、リエナ川の沿岸に築かれた自由都市の連合体。
帝国から実力と交渉で自由を勝ち取って以来、十数年に亘って王侯貴族の手から不変の権利を堅持してきた。
リエナ川の水運を利用した交易都市によって構成され、彼らの納める税金は帝国の国庫を大いに潤している。

紋章:白百合と交差するパイク
通貨:帝国に準拠
公用語:帝国語
最大都市:デオルムント
政治:都市連合体、議会政治(実力者による合議制)
宗教:「聖なる教え」。旧来の教会運営には疑問を持つ者が多い
地理:大陸を横断するリエナ川の沿岸諸都市。冬は川が凍る事も
民族:帝国人の他、リグレンシアやハレヴエルツの商人、ヴェスターラントの労働者
経済:大陸各地との交易で栄える他、蒸留酒等の特産品
工業:デオルムントの鉄器生産他各都市の工房
鉱業:もっぱら輸入に頼る
農業:小規模な近郊農業




イントヴァルド司教領
ハレヴエルツ北東部に位置する司教領。
鉱石や岩塩の採掘で繁栄する有力な宗教勢力。ノージアン(北方民)との戦い、民族紛争の中で僧兵が拡大されていく。

紋章:十字架に絡みく青薔薇
通貨:帝国に準拠
公用語:帝国語
最大都市:イントヴァルド
政治:司教と輔弼院による教会独裁
宗教:「聖なる教え」
地理:ハレヴエルツ北東部の山岳地帯。ノージアンによる南攻を度々受ける
民族:少数の帝国人の下に雑多な少数民族
経済:鉱石と塩の採掘による巨大な富

2012年1月21日土曜日

アイデアを出せば計画が進むらしいのでry

Hateful World(案)



世界観
◆アレクヴィーナ大陸
厳しい寒さと痩せた土地、渦巻く陰謀、荒んだ人心。「5つの鎖」に縛られた憎悪の地。
箱国の「ヴァレフォール」に相当。世界は惑星から大陸に。5つの地方を持つ。

5つの鎖:慢心・嫉妬・憤怒・欺瞞・恐慌


・ツェンティレム(馬・人的資源)面積大・食糧多
大陸の中央に広がる草原と森林の地。
交通の要衝であり、技術・文化の中心地であり、数多くの戦乱の舞台となった土地。
「慢心」を司る獅子は多くの宮廷で意匠として好まれる。

・ハレヴエルツ(鉄・石材)面積中・食糧普通
大陸東部に広がる山岳地帯。
良質な鉱石資源で知られ、利権を巡る戦乱が絶えない。
「恐慌」を司る羊はこの地方で広く飼われる牧畜。

・リグレンシア(貨幣・人的資源)面積少・食糧普通
大陸南部の「謀略海」に面する地。
多くの港湾都市を擁し、ネリャールヴィンクとの中継貿易で栄える。
「欺瞞」を司る蛇にまつわる伝説が多い。

・ヴェステルラント(鉄・馬)面積中・食糧生産少
大陸の北方に位置する、溶ける事のない氷と雪に閉ざされた地。
中央を貫く大山脈からは豊富な鉄が採れる。
「憤怒」を司る狼の末裔を自称する海賊達の本拠地。

・ゼオルベウン(石材・馬)面積大・食糧生産少
大陸の北に広がる極寒の地。草原や森林山岳等様々な自然地形を見せる。
文明の外縁に位置し、蛮族と蔑まれた者達が暮らす。土地の生産性も低い。
「嫉妬」を司る狐にまつわる独自の文化が有名。

◆ネリャールヴィンク
「謀略海」を挟んでアレクヴィーナ大陸の南に位置する異教徒の地。
アレクヴィーナ諸国よりも優れた技術・文化とアレクヴィーナ信仰の聖地であるミルエラを擁する。


資源
・貨幣・・・リグレンシアの貿易市で少量得られるのみ。傭兵を雇う事ができる他、設備の建造に。
・食糧・・・日々消費する小麦だったり芋だったり魚だったり。
・人的資源・・・「民衆」とは違う専門的な技能を持つ人々。文明的な設備の建造に利用。
・石材・・・箱国でいう建材。
・鉄・・・武具→兵士に。
・木材・・・燃料に。燃料が無くとも運営は可能だが、冬季には民衆が凍えてゴリゴリ数が減る。
・馬・・・資源の輸送に必要な他、鉄と消費する事で兵士(常備騎兵軍)に。性能自体は傭兵と同じ。

文明
(ネリャールヴィンク>シェンティレム=リグレンシア>ハレヴエルツ>ヴェステルラント>>>ゼオルベウン)

・シェンティレム・・・芽生え始めた宮廷文化、都市の勃興、整備された道路
・リグレンシア・・・高度な民主政と市民社会
・ハレヴエルツ・・・入り乱れた信仰と文化のモザイクガラス
・ヴェステルラント・・・在来のシャーマニックな文化。海賊の時代。親南部族には貴族文化の芽生え
・ゼオルベウン・・・鉄器すらあやうい地域多し。騎兵としての技術はある。

魔法
基本的には無いが好きに魔法使いの国家とか名乗るヨロシ。
(十字架騎士団とか魔女狩りされても泣かない)

科学
錬金術の段階。どっかの鋼の兄弟みたいな事はしない。
ネリャールヴィンクでは大系的な学問として芽生え始めている?

技術
鉄器が一つのボーダーライン。

信仰
ツェンティレム・リグレンシアを中心とする「聖教」。
各地に伝播しつつあるが土着信仰もまだ強い。

災厄
黒死病・・・街が吹き飛ぶ
海賊/山賊/無法傭兵・・・街が消し飛ぶうえにランダムで資源が減る
飢饉・・・農地が吹き飛ぶ
(飢饉から)農民反乱・・・生産規模が減る

土地
ツェンティレム・ハレヴエルツ・ゼオルベウンは内陸国(海無し)とする事が可能。
(ヴェステルラントはそこそこの面積、リグレンシアは厳しい面積制限)

爵位
君主からいただく
他の支配者(君主含む)に請求、戦争交渉もろもろで獲得

支配領域の拡大(面積とは別)
冷蔵庫でやってた「霧を晴らしていく」システムのような
対外戦争のメリットの拡大

封建システム
宗主国(支配領域の減少、家臣国の対外保護の義務、奉仕を受ける「権利」)
家臣国(支配地域のお墨付き・拡大、軍役や財政における奉仕)

宗主国は家来を増やせば増やすだけ支配領域を小さくしていく(直轄領が小さくなる)代わりに家来の奉仕が期待できる。
家臣国は宗主国の保護(もし開戦すれば宗主国の号令で他の家臣国も援護してくれる「可能性」)、加増すれば支配領域の拡大、代償は軍役や君主の定める奉仕条項
↑順調に領域を拡大すれば、王の直轄領を超える国力を獲得可能。忠誠・土壇場での離反・独立闘争等様々な選択肢(その為システムで奉仕を規定しない)

※おそらく君主国の殆どは資源確保の為に他地域の国と封建体制を結ぶはず
 ↓
 地域が違うのに王の直轄領が減るのはおかしくないか?
 仮に他地域国家との契約を規制しても生産資源がダブってうまみが無いのではないか?

ここらへんはプレイヤー間での設定的な関係のみにするべきかもしれない

2011年1月20日木曜日

ブラウリンゲン聖教共同体

・ブラウリンゲン聖教共同体


 教会合議制
 国歌:絶えぬ信仰と朽ちぬ剣
 通貨:リンゲンクラーネ(BK)





西ディルタニア圏と中央ディルタニア圏の境界部に位置する小国。深い森と雪に囲まれ、国民は信仰を以って厳しい環境を生き抜いてきた。首都はエアシュテーウング。
交通の要衝シュネリゼ回廊を塞ぐ形で存在するため、近代まで北ディルタニア系諸民族の侵入を数多く経験する。
国家元首にラヴィーネ教の教王を戴き政祭一致体制を敷く。現在の国家元首はジークリット・アイヒホルン・アードルング女教王。
国民は労働・軍役・信仰、そして幸福を義務とされる。国内戦を考慮した都市設計、規格化住宅は独特の景観を生み出し「ブラウ様式」として有名。
国民の銃所有率はウィルバー合衆国やシェイフィナリアに肉迫するが、弾薬類は教会の厳重管理下にあるため銃犯罪は極端に少ないという特徴を持つ。
主な産業は鉱業。中世から銀とコバルトの一大採掘地として知られ、近代に入ってからはタングステン等の採掘も行われている。
リルバーン文化圏に属し、共通した文化的特徴を多く有するものの、地政学的な理由、またこの地で古くから信仰されるラヴィーネ教や襲来する中央ディルタニア民族などの影響もあり、他の西ディルタニア諸国とは一線を画した独特な文化を持つ。
主な主食は大麦やライ麦。ラヴィーネ教会が飲酒に寛容な事からアルコール飲料も発達した。平均気温が低く積雪量も多い為、あまり耕作に適した土地では無い。北西部に位置する藍海からとられた魚介物は貴重な食物として重宝されてきた。
 

・地理
北西部の藍海、東部に位置しディルタニア大陸を大きく分断するディルタニア山脈の狭間に位置する。この地は北ディルタニア回廊と呼ばれ、中央ディルタニアと西ディルタニアに陸続きで接続する数少ない交通路として機能してきた。
中央の交易都市ヴォール、北西部の港湾都市フェアズィンケンが経済の中枢となる。政府機能はディルタニア山脈の西端、ヴァントヘルス山(標高5,137m)の山麓に位置するエアシュテーウングに集中する。ラヴィーネ教の総本山でもあるこの地は天然の要害として数多くの戦乱の舞台となった。
国境を画定する北端のゲーグナーウーフス川に設置された城郭群は中世北ディルタニア文化を今も色濃く残す遺構として現在は観光地として人気。一部は現在も軍事目的で利用されているとか。
数少ない農業地帯を擁する南部クンフトゼーゲンの麦畑に囲まれた司教堂、現在も最高政庁として機能するエアシュテーウング教主城等、その質実剛健の気風を伝える建築物の作る荘厳な空間の虜になる旅行客は多い。
 

・政治
ラヴィーネ教の教王を頂点に置き、枢密院、司祭会議によって運営される。監察機関として聖徒輔祭院を持つ。
代々鎖国主義、管理経済主義を主軸に国家運営を行ってきた聖教共同体だが、現在のジークリット女教王が即位してからは彼女の主導の下社会の開放、経済の自由化が進んでいる。
しかし、保守勢力が現在の施政に不満を抱えているのは事実であり、開放主義を支持する聖徒輔祭院との対立が続いている。
地方政治は教区司教の責任の下、教区司祭会議が運営する。エアシュテーウングの王都司教座、ヴォールやフェアズィンケン等の大司教座は国政への大きな発言権をも有する。
 

・住民
リルタニア人の殖民司教座として誕生した事もあり、リルタニア系が多数を占める。中央ディルタニアのヴァリニリア人やヤード人の流入も小規模ながら史書等から確認でき、彼らはラヴィーネ教の信仰を条件に手厚く保護されたという。
白く透き通った肌と美しい金色の髪はこの地の民の誇りであったと共に、その美しい姿は中央ディルタニアの征服者に奴隷として酷使される原因にもなった。
 

・国防
教会奉仕軍の陸海空軍、国内軍、王立近衛隊を擁する。有事の際は教会奉仕軍、国内軍の混成によって教会軍を形成。

・教会奉仕陸軍
国内では「正規軍」と呼称される聖教共同体の基幹国防組織。基本戦力単位は連隊。現在の最高指導者はエムデンブルク大司教ベアトリーセ・バーデ・アイブリンガー大将。
連隊は各司教座でそれぞれ1個ないし2個編成され、司教は自らの司教座連隊を指揮する。
この司教指揮権は正規の職業軍人に委任の形で移行する事もあるが、聖職者に伝統的に軍事的才能を求めてきたラヴィーネ教においては、有事においても連隊指揮を行う(少なくとも平時においてそう宣言している)司教は多い。
これらの司教座連隊を構成するのは、教区司祭の募兵に応じて兵役に就く者、満22歳以上でかつ兵役を経験しておらず抽選で徴兵された者、満2年の兵役を終えた後も奉仕軍に残り職業軍人化した者である。聖職者は兵役免除を受ける権利を有するが、軍での奉仕を義務付ける司教座も存在し、また自発的に軍に入営する者も少なくない。
有事の際はこれらの司教座連隊と後述する国内軍部隊の混成による「教会軍」を編成する。教会軍は毎年度更新される「守護王勅」に則って配置され、国防に従事する事となる。
基本的には要塞線や各抵抗拠点に拠り、持久戦を展開する。冬季戦技に長けた者が多く、また実戦経験を持つ兵士もいまだ数多く存在する為、戦力としての価値はその近代国家らしからぬ組織とは反して高い。
補給の観点から見ていわゆる西側諸国の兵器を採用する。森林や冠雪地での機動性を重視し、軽量なモノを好む。
普段は狩人として生計を立てている者が多いため、軍部はスカウトスナイパーの養成に力を入れている。
 

・教会奉仕海空軍
基本的な組織は陸軍と変わらないが、国内軍との混成はされず単独で運用される。基本単位は陸軍が連隊であるのに対して、空軍は航空師団、海軍は戦隊。空軍の最高指導者はヴォルフェンビュッテル大司教ヨハネス・ビンダーナーゲル大将。海軍はフェアズィンケン大司教ゼバスティアン・テオバルト・ダールグリュン大将。
空軍はSTOL能力を重視した機体を多く保有。山中に設けられた航空基地に分散して配備され、敵軍の第一撃を凌いだ後に地上軍を支援する。基本的に陸空共同戦を志向。
海軍は領海防衛の為、旧式のフリゲート・駆逐艦を保有。装備の旧式化が著しく、可及的速やかな更新が必要。

・国内軍
国の定めた軍役期間を満了した国民が登録され、有事の際動員され奉仕陸軍の支援に回る他、災害時の救助活動や治安維持に活躍する。最高指導者はヘクトール・ベルトホルト・クレヴィング副教王。国内軍退役は40歳。これを以って法的な軍役義務からは解放される。
家毎に小火器を、地域毎に重火器・兵站備品等を管理し有事に備える。国民が生活する街は十字砲火、遅延戦闘、敵の拘束等を考慮して設計されており、その街並みは独特の景観を生み出した。
 
・王立近衛隊
  

2010年5月11日火曜日

ヴァリニール日報第18号

【北部ヤード人民革命連合の蜂起、ヴァリニール首脳部の反応は】
北部ヤード人民革命連合なる勢力がヤード北部で突如蜂起、狭くない範囲のヤード領を占領した。
これに際し、帝政ヤードは人民革命連合の排除を示唆している他、ベロヤード共和国は『ベロヤード人民の独立が認められるのなら支援』と明言、両国の対立が表層化しつつある。
これに関し、共和国政府は「あくまでヤード国内の問題。わが国が何か発言すべき性質の話では無い」としながらも、「共産主義による搾取と抑圧の歴史を持つ我が国としては、革命やら赤い旗やらと会議場で喚き散らすような集団を認める気など毛頭無いし、それを条件付きとは言え認め、あまつさえ支援も示唆したベロヤード人民戦線政府の姿勢には疑問を感じざる得ない」とコメントした。
ベロヤード共和国はヤードゴニエ連邦の崩壊時に独立した新興国家。我が国と同じように『大ヤード主義』に強く影響される国家の1つであり、帝政ヤード周辺国の独立堅持には我が国とベロヤード共和国の一致は不可欠である。しかし、チェルネンコ大統領率いる人民戦線政府が現在の路線を貫く限り、我が国との足並みのズレは解消されないだろう。

ヴァリニールでスローガンに使われる言葉に以下のような物がある。
「赤は嫌いよ。他の色と調和しないじゃない。黒はもっと嫌いよ。他の色を汚すだけだもの。」
この言葉ほどヴァリニリア人の心理を表した言葉は無いだろう。


【リルバーン帝国の混乱、揺れるディルタニア均衡】
フローラ帝の失踪に端を発するリルバーン帝国の混乱は、周辺国のみならず世界中の注目を浴びている。
リルバーン帝国での生活が長く、知リルバーン派とも目されるブチェンコフ大統領は、午後の会見で「リルバーンは西ディルタニアの経済中心地であると共に、その均衡の重要な要素の1つ。この混乱がディルタニア全体へ重大な影響を与える前に迅速に収束される事を望み、またその為に官民問わず支援する事は隣人として当然の責務であると考えます。」とコメント、同時に「リルバーンにはこの混乱を自らの手で治める力があります。他国による直接的な介入は必要ありません。我々はモノとヒトを提供すればいい。リルタニア諸島での『混乱』を『戦乱』に変えんとする輩が現れない事を強く願うと共に、我が国はそのような輩と国際社会を共に歩むつもりは無い事をここに表明しましょう。」と語った。

2010年2月23日火曜日

メモ

・植民地政府

・バイエルン的ななにか

・中欧の新興国家

・消え行く帝国