2009年12月25日金曜日

ヴァリニール日報第15号

◆ヤード・ツァールストヴォ成立。地域大国の勃興に揺れるディルタニア均衡

今月、かねてから神州民国軍ヤード憲政司令部の管轄下に置かれていたヤード地域の管轄権がルード・ヴァズニスクに委譲、同時に国家名称が『ヤード・ツァールストヴォ』変更され、第二次ヤード帝政が成立した。

これにより東部3州を中心に慢性化しつつあるヤード難民問題も解決に向かうと考えられるが、帝政ヤードによるレニエフ大公国の解体とヴァリニリア人抑圧という苦難の歴史を持つ我が国にとって『皇帝』を戴く同国への反応は厳しい。

「皇帝に栄光の数百年を踏み躙られ、アカに文化を奪われ、今度は女帝に希望も奪われる」とネットを中心に騒がれる等、同国の急速な台頭は比較的穏やかであった両国の関係に少なからず影響を与えるのは間違いなさそうだ。

また、地域大国の勃興によるディルタニア戦略の改正も急がれる。


◆議会、原発建設に「NO」。今も残る核エネルギーへの抵抗

今月1日に提出された「原子力発電所の建設に関する予算案」が、本日の議会に於いて反対多数で否決された。

アムリヤスク社会主義政権時代に起きた「アルテブリュガース原発事故」による甚大な被害は国民に核エネルギーへの否定的な考えを根付かせるには充分なインパクトを持っていたし、これは恐らく石油の枯渇によるエネルギー不足が表層化するまで続くのではと懸念する学者も存在する。

ヴィネンコ資源担当大臣は「産業の復興に伴い、化石燃料によるエネルギー供給は限界に近づいている。もしネルヴィルとの交易が断絶したら?もしパイプラインが他国の手により遮断されたら?我が国は農業中小国に逆戻りだ。我が国の発展には間違いなく原発によるエネルギー供給が必要になる。原発の建設と運用ノウハウは必要になってから得られる代物ではない。」とコメントした。

2009年12月18日金曜日

ヴァリニール日報第14号

◆揺れる安武問題にスピリックス連邦「論議の中断」。ヴァリニールの一手は

現在、安武群島を巡り昇陽帝国とスピリックス連邦の間で対立が起きている件について、シュルビッチ主席外交責任官からお話を伺う事ができた。

記者―昇陽・スピリックスの対立は我が国にどのような影響を及ぼすのでしょうか?我が国はそれに対して何らかのアクションを起こす事を考えているのでしょうか?

「昇陽帝国はキーファルン公国と並ぶネルヴィルの重要な友好国であり、すでに多数の資本・人材が同国に入り込んでいる。また、スピリックスもネルヴィルの重要航路を十分掌握可能な位置に存在する。もしこれ以上両国の溝が深まれば、ネルヴィルとの貿易で多大な利益を上げている我が国の鉄鋼産業にも多大な影響を及ぼしかねないと考えている。さらに言えば、万が一に武力衝突にでもなれば邦人や企業も戦災を被る事になるだろう。」

「(アクションをとる事は)可能性として十分ある。それがどのような性質でどのような規模で行われるかは私の及ぶ所ではないのでコメントできないが、大統領府が昇陽の資本・邦人の保護の為になんらかの行動を検討するのは当然の事と考える。」

記者―野党からは既に昇陽支持を表明している合同王国・ウィルバーへの「追従」であるとの批判も出ていますが?

「ネルヴィル交易が我が国に大きな利潤を与えているのは小学生だって知っている。大統領府はそれを踏まえたうえで昇陽への支持を固めている、野党はそれを「追従」という。おかしな話だ。」

「合同王国には合同王国の、合衆国には合衆国の、そして我が国には我が国の事情がある。強大国との関係でしか物を見れない人間に外交は語って欲しくないものだ。」


◆空軍、遠距離制空戦術戦闘機Rn-28の制式採用を発表

空軍広報部は今日、ルスラーン航空技術会社作製の遠距離制空戦術戦闘機Rn-28を制式に採用、年間30機を調達する予定である事を発表した。

Rn-28は旧ディルタニア連邦傑作戦闘機Silev-94に酷似したフォルムを有するが、複座戦闘機として再設計され、また火器管制・攻撃システム、フラバイワイヤ等の大幅な強化により高い汎用性をテストで証明した新型戦闘機計画の「本命」と言われている。

一機当たりの価格は破格の220億カルボーヴ。これは先進国の最新型戦闘機に匹敵するが、空軍本部はRn-28、Reig-27、VF-4を用途別・重要度別で展開するハイローミックス構想を採用する事で少数の本機を有効に運用する狙いだ。

ルスラーン航空技術会社はVC.29 年に旧シレフ設計局の技術者が立ち上げた企業であるが、経営不振が噂されていた。この大口採用により、同社は起死回生を果たしたと言えるだろう。

ルスラーン側は「他国への販売も検討している」とのコメントをしている。

◆続く惨劇、次はホルマリン漬けに。カーベンロイド州で3体の遺体を発見

昨日、東部カーベンロイド州の家屋で以前から行方不明になっていた    アンヤ・グリドフさん(16)、イーネス・ダリンさん(18)、ソインツ・アダミーシンさん(18)の遺体が発見された。

発見当時、3人の遺体は病院などで利用される検体保護用のホルマリンプールの中に保管されていたとの事。

家人であるアンソニー・アドマイホフ大学教授を重要参考人として指名手配したが、アドマイホフ教授は今月に入ってから行方が分かっていない。

アドマイホフ氏は我が国では最年少である37歳で医学教授に上り詰めた気鋭の外科医として知られていたが、数年前から傷害事件や麻薬疑惑が取り沙汰されていた。

捜査本部はアドマイホフ氏の情報提供者に最大1000万カルボーヴの懸賞金を設定した事を公表している。

2009年12月16日水曜日

落書き


無口キャラとかどうでせうか。

俺は好きです。


2009年12月12日土曜日

ヴァリニール日報第13号

◆国土開発委員会、北部3州の再編に着手。特需に湧く国内経済

先日、政府の北部再編案が議会を通過し、国土開発委員会主導により、ノーゼムグレリア州・エストイントヴァルド州・カーベンロイド州の再編・再開発が開始された。

『ウィルドスカヤに続け』と意気込む各州指導者達たが、アルテブリュガース汚染地帯を抱えるエストイントヴァルド州、介入戦争で主戦場となり、インフラ・治安が壊滅したノーゼムグレリア州、そして旧ヤード共和国の難民が流入し治安が悪化しつつあるカーベンロイド州の3つは『閉鎖地帯』と呼ばれており、困難が予想される。


◆宇宙開発局、「レーヴァテイン計画」を発表

昨日、エレーサ宇宙開発局は国産ロケットの打ち上げと人工衛星数基を軌道上に打ち上げる「レーヴァテイン計画」を発表した。

局長は会見で「他国に遅れを取った宇宙開発事業だが、これは国内先端産業の発展の為にも必ず成功させなければならない。」と発言。

開発には国内14社が参加。この計画が成功裏に終われば、自然災害の事前察知等が可能になる。


◆第2機甲師団他、3個陸軍師団を編成

先日、地上軍広報部は完全充足の1個機甲師団・2個機械化歩兵師団を新たに編成した事を発表した。

今回新たに編成された2個機械化歩兵師団はA&W Griffen、そしてAvtoKeNRの新型歩兵戦闘車VMB-1を装備。これにより33年型編成の歩兵師団は4個となり、十分な機動戦が可能となった。


◆イグナート級駆逐艦3隻・ブハンツェフ級駆逐艦1隻就役

先日、イグナート級駆逐艦「グライミャル」「ウォートリ」「クサノヴァ」、ブハンツェフ級駆逐艦「ウラジノビャール」が就役。第4駆逐戦隊に配備された。

これで内海艦隊の保有する戦隊は4つになり、ディルタニア内海の限定的な制海権は確保可能となったと言えるだろう。

「32年型複合編成駆逐戦隊」は現在の予定ではあと3つ編成され、またチェルノグ級巡洋艦、ブルイギン級ミサイル巡洋艦、アドミラル・ブラギンスキー級重航空巡洋艦の建造も急がれる。

2009年12月10日木曜日

聖女は誰が為に祈る

ふれたら崩れてしまいそうな細い躯。吸い込まれそうな大きな瞳。絹の様に滑らかに垂れる銀の髪。
この世界に遺されたどのような美術品をも、取るに足らないつまらないものにする美しさ。
彼女は聖杯に注がれた毒。
私はそれに口をつけようとしている――


「久しぶりね、ソフィーヤ。今は首相さんと呼んだ方がいいのかしら?」
暗闇に響く少女の声。
「・・ここは何処なの」
「貴女の夢の中よ」
コツコツ、と近づく靴の音に体が強張る。
「どうして彼女を捨てたの?彼女は今も貴女を慕っているというのに。」
つつ、と彼女の白くかほそい指が頬を撫でる。足が動かない。脳は駆け出せと切実に信号を発しているのに。
「彼女の事が嫌いになった?」
「・・自分とあの子だけの人生じゃなくなった。私はこの国の・・首相だから。」
嘘。そう言って彼女は強引に唇を奪った。
灼けつく思考。まずい、堕ちる。
「あの男の所為でしょ。私の可愛い『お姉様』」
「っ・・・!」
「あの子は貴女への思慕で人間性を保っているわ。もし貴女が彼女の心の均衡を崩せば・・その行き場の無い激情は何処に流れるのかしらね?・・・ま、半ば堰は切れかかっているけどね」
「貴女・・・!一体あの子に何を吹き込んだの!」
「私はただ彼女を慰めているだけよ。」
・・彼女が囁くのは貴女の名だけ、そう耳元で呟く少女。
「貴女が触れる物は全て壊れていく。彼女もそう。次はあの男かしら」
そっと服に手をかける少女。華奢な躯がスルスルと姿を現す。
「貴女が壊していくなら、私は壊れた物を愛せばいい。壊れた物はいとも容易く心を曝け出す」
逃げなくちゃ――理性を辛うじて保った脳の指令は虚しく感覚を失った四肢に流れる。
「直に・・この国も崩れていくんでしょうね」
彼女の切なげな顔が近づく。もはやそこに逃げ場は無かった。


彼女が目を覚ましたとき、既に日は昇りきっていた。
「・・最低だ」
頭が痛い。昨晩のアルコールが残っているのだろうか。
気だるそうにテレビのリモコンに手をかける。
「相次ぐ少女の失踪と死体での発見に共和国震撼」「連続殺人鬼の似顔絵公開」

報道は過熱を極めていた。


ふと隣を見る。
――小さなベットに窮屈そうに身を沈める一人の男。
彼女と愛を誓い合ったこの男は、愛する女の置かれた状況など露知らず、こうして安眠を享受している。
彼女と重なりあうように寝返りをうつ男。
抱きしめようと手を伸ばす。


『貴女が触れる物は全て壊れていく。彼女もそう。次はあの男かしら』


悪など知らないこの男も、私の所為で傷つくのだろうか
手が止まる。・・夢如きに何を動揺しているんだ。

男が耳元で寝言を呟く。

――涙が一筋流れていく。
私は大切な物を代価にここまで歩んできた。でも、この男だけは・・・

ソフィーヤは彼の腕の中で静かに泣いた。

2009年12月4日金曜日

もうそう

V.C.3X年、北方ディルタニアを治めるヤード共和国の崩壊。
中央政府の解体により広大な領土は分割され、内紛、そして泥沼の干渉戦になりつつあった。

旧ヤード共和国と隣接するヴァリニール共和国は要人警護の為、共和国武装偵察隊(V.A.S)の一部隊を旧首都ヤードグラードに派遣する。


廃墟と化した大都市で、兵士達は地獄を見る。

「おい、なんだあのバケモノは!?」
「生存者は・・本当にいるのか・・・?」

生ける屍と化した市民。


「あれは・・神州人か?」
「! 撃って来た!」

思惑の秘め都市に降り立った他国軍。


「弾をくれ!」
「これで最後だ!」

窮地に立たされる兵士達。


「少年、この都市で何があった?」
「『先生』なら知ってるかもしれない」
「先生?」

大都市に起きた悲劇。


「『小包』の確保はまだか。」
「確保出来ないのならば破壊しろ。絶対に他国の手に渡らせてはいかん。」

明かされる真実。


「仕方あるまい、中心部に核弾頭を投下しろ」
「閣下!まだ市街地には隊員が!」
「必要な犠牲だ」

下される非情な決断。


「俺が喰われたら後始末は任せたぜ。」
「おう。丁重に葬ってやるよ。」

極限下で発揮される兵士達の絆。




映画『ジャスリャーvsアンゼギドラ』の脚本家が紡ぐクライシスストーリー。

集団で通りを徘徊する「ソロー」、脅威の機動力で兵士達を狩り立てる「インディグネート」、廃墟や市民に擬態し無警戒な獲物に襲い掛かる「エンヴィー」等、多様なアンデットがプレイヤーと仲間達に迫る。

大都市ヤードグラードで同時多発的に展開する物語。ゾンビの群れを切り抜け、他国の特殊部隊を退けた先には何があるのか。

最新のエンジンを利用した美麗なグラフィックとリアルな破壊効果。狡猾なまでのAIの挙動。クリア後も飽きさせない拡張性。

世界各国の銃器メーカーの協力のもと、200以上の銃器、60以上のパーツを収録。また、各国の協力のもと、各国軍の軍装・車両・航空戦力を収録。

オンライン対戦は驚異の1ゲーム最大300人。市街戦・空挺作戦・平地での戦車戦など、ヤードの大地で15種類の勢力が激突する。


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