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2009年12月4日金曜日

もうそう

V.C.3X年、北方ディルタニアを治めるヤード共和国の崩壊。
中央政府の解体により広大な領土は分割され、内紛、そして泥沼の干渉戦になりつつあった。

旧ヤード共和国と隣接するヴァリニール共和国は要人警護の為、共和国武装偵察隊(V.A.S)の一部隊を旧首都ヤードグラードに派遣する。


廃墟と化した大都市で、兵士達は地獄を見る。

「おい、なんだあのバケモノは!?」
「生存者は・・本当にいるのか・・・?」

生ける屍と化した市民。


「あれは・・神州人か?」
「! 撃って来た!」

思惑の秘め都市に降り立った他国軍。


「弾をくれ!」
「これで最後だ!」

窮地に立たされる兵士達。


「少年、この都市で何があった?」
「『先生』なら知ってるかもしれない」
「先生?」

大都市に起きた悲劇。


「『小包』の確保はまだか。」
「確保出来ないのならば破壊しろ。絶対に他国の手に渡らせてはいかん。」

明かされる真実。


「仕方あるまい、中心部に核弾頭を投下しろ」
「閣下!まだ市街地には隊員が!」
「必要な犠牲だ」

下される非情な決断。


「俺が喰われたら後始末は任せたぜ。」
「おう。丁重に葬ってやるよ。」

極限下で発揮される兵士達の絆。




映画『ジャスリャーvsアンゼギドラ』の脚本家が紡ぐクライシスストーリー。

集団で通りを徘徊する「ソロー」、脅威の機動力で兵士達を狩り立てる「インディグネート」、廃墟や市民に擬態し無警戒な獲物に襲い掛かる「エンヴィー」等、多様なアンデットがプレイヤーと仲間達に迫る。

大都市ヤードグラードで同時多発的に展開する物語。ゾンビの群れを切り抜け、他国の特殊部隊を退けた先には何があるのか。

最新のエンジンを利用した美麗なグラフィックとリアルな破壊効果。狡猾なまでのAIの挙動。クリア後も飽きさせない拡張性。

世界各国の銃器メーカーの協力のもと、200以上の銃器、60以上のパーツを収録。また、各国の協力のもと、各国軍の軍装・車両・航空戦力を収録。

オンライン対戦は驚異の1ゲーム最大300人。市街戦・空挺作戦・平地での戦車戦など、ヤードの大地で15種類の勢力が激突する。


Pureisite Suteru 3用ソフト 『Destruction』
12月32日発売予定(希望小売価格:70.20VC)

2009年9月26日土曜日

妄想(3)-1

◆レニエフ市 エンダーバンヴィッチ革命記念駅前 10月28日 11:40 p.m

瓦礫と化した首都レニエフ、その中心部を占拠するように建つエンダーバンヴィッチ革命記念駅。このヴァリニール共産主義の遺跡を攻め落とすべく、第12歩兵師団長、フェーリクス・グレシネヴィコフは即席の司令所で部下達の報告に耳を傾けていた。

「第2連隊は予定通り労働者団地を制圧し、第3連隊もトラクター工場付近で南部の第11騎兵師団と連絡。これで敵の残存拠点は市役所、物資供配センター、保安管理署、そしてエンダーバンヴィッチ革命記念駅の4つとなりました。」

大変結構。―丁寧に蓄えられた筆髭を神経質に整えつつ、言葉少なに答える。

労働者団地は戦意に乏しいアムリヤスク兵が半ば自棄になって立て篭もっただけにすぎず、トラクター工場にも第11師団のDST-11に立ち向かえる程の戦力は初めから存在しなかった。勝利して当たり前の戦闘に対して一々反応を起こす程この師団は若くなかった。

「・・して、戦車隊の増援はいつこちらに来る?」

第12師団第1連隊所属全兵士の最大の関心はそこにあった。ヴァリニール最大規模の列車駅として知られていたこの駅一帯は、ヤード兵によって幾多の火点が形成され、また駅内部から発射される迫撃砲の照準が定められていた。ジリジリと包囲環は狭められているが、敵の抵抗は弱まるどころか激化していく。6度の負傷を経験したこの勇敢な指揮官は不本意ながら司令部に戦車の支援を要請したのだ。

・・それが3日前の事。司令部からの返事は良くないものばかり。連中はこの駅を落とすつもりが無いのだろうか。

「大通りの対戦車地雷を処理しきるまでこちらには移動できないと言っております」

予想通りの答え。明日も要塞化された建物を支援無しに1つずつ潰す事になると思うと、さすがに気が滅入る。

「第2大隊では負傷者が4割を超えているらしい。装甲戦力の支援無しにこれ以上の攻撃は無理だ。」

「せめて装甲車でもあれば・・・」

狙撃を懸念して電気が落とされた事務所の一角は血の気の引いた静寂に包まれた。―明日は幾ら死ぬか―既に兵士達の意識は麻痺を始めている。

ふと外を見ると、先ほどまで止んでいた雪がまた降り始めていた。

ヴァリニールの冬は長い。幼い頃、降り積もる雪への恨めしさを綴った童歌をよく歌ったものだ。

月明かりで廃墟と化した街は青白く輝いていた。砲煙で黒ずむ瓦礫の山は、まるでセイルナシアの古代遺跡を絵画にしたかの如く幻想的に見える。 窓際に出て外を見渡したくなる衝動をぐっと抑える。ヤード軍の狙撃兵も照準眼鏡越しに雪見をしている事だろう。

「師団長、発言の許可を願います」

おおよそ兵士には似つかわしくない高い声が静寂を破る。声の主は大学を出たての若い少尉だった。

二流大学で工学を学び、建築技師として党の歯車になる運命を歩みつつあった彼は、レムストポリ革命の後、自由と祖国愛に燃え自由共和国軍に参加したらしい。フレームの曲がった眼鏡と白樺のように痩せ細った体は精鋭師団の兵士としては頼りない。

「発言を許可する。どうした少尉」

「はっ・・ただ今この事務所を捜索したところ、ここ一帯の下水道の配管図を入手しました。レニエフ市の下水道は緊急時の避難経路として設計されており、人が十分に通れる広さが確保されています。これを使えば駅の真下にまで接近できるかと。」

「花の12師団がクソの通り道を進むってか?ご免だな」

「機関銃を避けて通れるならばクソまみれでもかまわん。少尉、地図を見せたまえ。」

携行ライトを持ち寄り注意深く地図を照らす。日付は20年前。黄色く日焼けをした紙は所々インクが薄れている。

「このマンホールから進入し、駅に向けて北へ直進・・・。この連結点で右折し、ここで地上へ上がれば車庫に潜り込めるはずです」

「敵の罠ではないのか。爆薬が仕掛けられてでもしたら・・・」

「構造上その心配は無いはずです。この下水網は駅の下を密に走っているため、爆破でもさせたらそれこそ駅が地下に呑まれるでしょうね」

沈黙する幹部達。どうやら作戦は決ったようだ。

「よし・・、少尉の案を使おう。第1中隊を第一陣に突入。車庫を制圧し、駅内部の敵を殲滅する。西部の第3大隊もこれに呼応し駅前広場を制圧。浮き足立った東部の敵は第2大隊が殲滅。これでフィニッシュだ。・・ライドン隊は地上に残り陽動攻撃。適当に撃ち合って敵の注意を地上に集めろ。」

言うもなく準備を始める兵達。我が部下ながら、ヴァリニール最高の兵士達と考えている。

敵の罠かもしれない。しかし、彼には失敗と死のイメージは無かった。

2009年9月14日月曜日

妄想(2)


アリーナ・ボヤリンツェフ
27歳。大尉。共和国武装偵察隊(V.A.S)所属。
テロ事件で両親を失い、父の友人であったグレシネヴィコフ少佐(当時)に養子として引き取られる。
その後は軍人としての道を歩み、矢連邦国家保安人民委員部の特殊部隊に配備されるが、レムストポリ革命の鎮圧作戦への従軍後に自由政府に参加。V.A.Sの前身である特殊任務連隊の一員として介入戦争を戦い抜く。
現在はV.A.S第8強襲チーム指揮官。

怜悧で素っ気無い。結婚なにそれおいしいの思考。


もしかしたらどこかで出てくるかもしれない人。

2009年9月13日日曜日

妄想(1)

◆中央平原 10月9日 10:20 p.m

『目標ハイダルまでおよそ・・・km。作戦中の・・・隊は主要幹線道路沿いの敵・・・を撃滅しつつ・・・』
耳障りなノイズが走り、声は消える。この戦車に搭載されたヤード製の仰々しい無線機はすぐに癇癪を起こす。
「くそっ、このポンコツが!」
短気な無線手が悪態を付きつつ、頑として言う事を聞かない無線機をボンボン叩く。道具は使い手に似るというが、この男を見ているとそういう事もあるのだろうという気分にさせられる。
普段は何時もの事と笑うクルー達も、今日ばかりは無線手と同じ事を心の隅で思っていた。
5年前に始まったこの戦争の緒戦で、自由政府は国土の4割を喪失していた。
赤軍の圧倒的な波状攻撃。徹底的に粉砕され、首都レニエフを失い、リルバーン帝国兵と共に方々を逃げ回った我々が、レムストポリという小さな街での戦闘を契機に優勢に転じた。
われ等が第1コサック軍司令官の名を冠した大攻勢。反共諸国からかき集められた装備・補給物資、自由政府の有する兵力の4割を投入するこの戦いが、勝利で終わるにしろ、惨めな敗北で終わるにしろ、多大な流血を伴うのは高校も出てないウチの装填手でも理解できた。悪運だけは強い3人だが、無線機の故障も不吉に感じるのは致し方ないだろう。

10日の進撃が可能な量の燃料、弾薬。そして多くの随伴歩兵を乗せた『ポードヴィク』DST-11戦車の一団は収穫期をとっくに過ぎた麦畑の中をノロノロと行進する。
ディルタニア有数の穀倉地帯として名高く、例年豊かな恵みをこの貧国に与えてきたこの平地は、無限軌道、砲爆撃で黒土を地表にさらけ出していた。無限軌道が黒ずみ始めた麦を飲み込むのを見るうち、父が廃棄麦を処理する姿を思い出した。革命国民学校の生徒だった時よく見た空は、友軍の見境の無い準備砲撃、近接航空支援で黒煙が立ち込めている。

明らかな加重にDST-11の1050馬力ガスタービンエンジンが低く唸る。この鈍重な猛獣は人に跨がれるのが酷く嫌いらしい。
「レーリオ2より車上の随伴歩兵。北北東の状況を説明されたし。」
車長が車外の「積載物」との会話を試みる。が、ジリジリとノイズが流れるのみ。
やむを得ず車長がハッチに手を伸ばした時、悲鳴のような独特の甲高い轟音が聞こえる。
咄嗟に体をかがめるのと同時、車体の上面に何かが激しく叩きつけられた。トマトを潰したような不快な肉感を持つ音が車内に響き渡る。猛烈な砲爆撃を辛うじて逃れた自走式多弾頭ロケット発射機の一斉射だ。
―助かった。対人弾頭だった。
自分の四肢が繋がれあっている事を確認し、思わず安堵する。
「随伴歩兵、敵のロケット砲撃を確認。被害状況を報告せよ。」
受話器はノイズ音を響かせるだけであった。・・この無線機が癇癪を起こしていないとしても、答えは返ってこないだろう。
車体が積載から開放され、急激な加速。まるで足枷でも外されたかのように、ガスタービンエンジンが
40数tの質量を軽々と動かす。
車外の様子は考えたくも無かった。鉄の暴風雨の後降り始めた雨が、血も、臭いも流し去ってくれる事を心から願った。